「ヤビツ童貞を捨てる」
そんな言葉が数年前にタイムラインに踊っていた。もはや死後かもしれないが、それぐらい東京近郊ローディーの登竜門的な峠であった。
もう5年近く行っていないこの場所に! 今回初めての友人を連れてくる機会に恵まれたのだ。
◆
ビューンとトンネルを抜け、集合場所へ自走で向かう。
程よい気温と快晴、しかしカンカン照りではない……お盆すぎのありがたさを感じる。
そういえば、この夏が暑すぎて買ってしまったサーモスの自転車専用ボトル! お手並み拝見なのだ。
伊勢原駅前に到着。ここで本日ヤビツ初体験のきいさんと合流だ。
そこに現れたるわ石切丸ッ!! ではなくやる気をタオルで出してきたきいさん!!!
きいさん「起動10!山だからね!!」
クロ「時速が10km/hだとしたらむしろ早いよね……」
そんなわけで、カフェインで元気もチャージ。ウキウキと走り出した。
こちらは大山阿夫利神社からの鳥居。大山は紅葉が素敵なのでまた行きたい。
曇りだけど元気なきいさん。
さあ、伊勢原駅から名古木のセブンまでは8km弱。隧道までの上りで軽くアップをする。
つい先日来たばかりなので、この坂の長さをまだ忘れてはいない。
クロ「トンネルが見えたら終わりだよ〜〜」
きいさん「いや、意外と長いね……」
程よい曇り空のお陰で、前回のライドよりは気持ち楽に走ってくることができた。
一山越えてしまえばあとは楽々……弱虫ペダルに思いを馳せて、秦野の聖地を妄想たっぷりに走り抜けていく。
到着! 名古木のセブンイレブンだ。
氷をボトルに入れようとするとたまにこういうことが起きるが、負けない。ガンガンぶち込んでいく。
さあ、ひと休憩とったら山頂に向けてスタートだ!
ここは昔デイリーヤマザキがあったところ。名古木交差点〜デイリーまでも案外キツいので、ここをよくスタート地点としていた。
工事が行われ、道も綺麗になっている。道幅が広がると、安全という意味ではいいかもしれない。
水車が見える。5年ぶりだと「こんな景色だったかな……??だったな???」みたいな朧げさ。
クロ、きいさん、虫さんの順で走っていたが、後方で悲鳴(?)が。足元にとかげが飛び出してきて、危うく避け損なうとこだったらしい。
そしてググッと上がる斜度……
虫さん「きいさん!! ここで休も!!」
難所である蓑毛のバス停を越えて小休止。うーーん蓑毛のキツさは寸分違わない。
だが、蓑毛をすぎれば比較的楽になるのがヤビツ峠。裏ヤビツも好きなので、通り抜けられないのを残念に思いつつ進む。
峠の中に入って途端に涼しくなった。
景色も開けていて綺麗だ。日差しも強くなく、薄曇り。最高の登坂日和である。
この白い壁の辺り、菜の花台まであとわずかというところなのだが、比較的斜度がある。
ここをえっちらおっちら進んでいると……
きいさん「虫が!!!」
ガシャン!!!
この虫とは、無論虫さんのことではない。アブだかハチだかの、顔面付近でホバリング飛行ができるやつのことだと思う。
しばし前から虫の多さを気にしていたきいさんだったが、ここで虫を避けようとして、転んだようだった。
クロ「大丈夫?!!」
きいさん「ヘルメットからいけば一番守られてるからうまくいくと思ったんだけど」
虫さん「自転車どかしてくる!!!」
……と、実はここで数々の打撲を負っているのだが、その全貌がわかるのはまだ後の話。しばしの休憩ののち、大丈夫! との確認をして再スタート。
見えてきた、菜の花台展望台。景色を楽しむ人たちで駐車場はいっぱいのようだ。
この秦野の市街が見える景色が最高である。
虫さん「新開隼人〜!!!どこだ〜!!!!」
きいさん「ここで暮らす福ちゃんたちはいる」
この景色が素敵で、止まってのんびり眺めたくなってしまう。
クロ「きいさんのペダル、ピンポイントで石ハマってるんだけどwww」
さあ、残りは3kmほど。ラストスパートは似たような斜度変化のループだ!
なんとかかんとか、無事に頂上へ。本当にこのふわっと突然終わるのがヤビツである。
きいさん「いや〜、キツかった!」
虫クロ「きいさんおめでとーー!!!」
到着記念! 何度来てもヤビツ峠の頂上には達成感がある。
三人で記念の一枚!
虫さん「半分くらい地面……!!!」
そして、三原山山頂で飲むのの次にうまい赤コーラを楽しんだ。
きいさん「推しの顔面がいい……フォルダに保存してあるの見て実感したわ……」
ここからは安全に安全を重ねてダウンヒルタイム。
道も綺麗で、この日は対向もほとんど来ず下りやすい。諸々住人の方とトラブルになっていたとは聞くが、やはり住宅地を下る速度は考えなくてはならないだろう。
そこに、実は上りのときから目をつけていた「オクラ」の看板が!!!!!
民家の前に置かれた箱、白い布をめくると強そうなオクラたちの姿がある。
無事にオクラゲット!! きいさんは料理に熱心な人なので、こういうときの喜びを分かち合えてとっ!!!ても!!!嬉しいのだ。
さあ、ここからは少しの起伏を超えて渋沢方面に向かう。
今日のお風呂はこちら、「湯花楽 秦野店」である。過去のライドでも使っているが、なかなかに落ち着く場所だ。
そういえば、足湯があった! あるのは知っていたけれど入ったことはなかったので、食事を待つ間に極楽タイム。
さあ、冷やしうどんと天ぷらでお昼ご飯。のんびり昼食からの、のんびりお風呂。きいさんのあちこちの痛さの正体と出会うのもこのタイミング。
座湯があるのでのぼせずにいくらでも楽しんでいられるのだ……。
はい、素敵なお風呂! お疲れ様でした!!
ふたたび足湯でのんびり過ごしていたら、推しの幸せなニュースが届いていい感じに死んでいるきいさん。兄者の中の人おめでとう!!!
そしてこれは、普段なら18時にくる公式からの更新が遅れていて……膝丸のくせにィ!!ジャストタイム!!に来いや!!!と揶揄する我々。
たいがい刀剣乱舞の話だが、今日も新鮮な悲鳴が聞けてよかったよかった。
お風呂の近くにはま寿司があったので、最後はそこで晩ご飯!
きいさんはエビの申し子らしくひたすらエビの寿司を注文していた。
そんなわけで、楽しく贅沢に時間を使ったヤビツ峠ライドも終了だ。ちなみに、サーモスボトルだが、ヤビツチャレンジ前の冷たさがこの時点でまだ維持されていた。素晴らしすぎる。
きいさんヤビツ初制覇おめでとう! あちこち痛そうだけど、早くよくなりますように……!!
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久しぶりに来たヤビツ峠だったが、コストパフォーマンスのよさと、学びの多さを感じる場所だった。
ちなみに虫さんのフロントバッグで運んでもらったのだがオクラは焼いて、煮浸しにした。大きめのやつは思いの外ワイルドな食感だった。
今日もお疲れ様でした!(夏の野菜はうまい)