4月28日、大雨…。
いつもの出勤時間より2時間以上早く家を出た私は、
平日であるにも関わらずロードバイクで駅に向かった。
びしょ濡れのまま駅で愛車を輪行状態にし、いざ!!
これから向かうのは
会社である
翌29日参加する予定の「宇都宮サイクルピクニック」のため、前泊の必要があった。
しかし、退勤後に家まで自転車を取りに行く時間はない。連休前で有休を使えるはずもない。
しかし前入りせねばサイピクの出走時間に間に合わせるのは不可能。
というわけで、会社の地下倉庫に自転車を置かせてもらい、職場から宇都宮のホテルに直行することを決めた。
通勤ラッシュを回避すべく、早く駅についたものの、働く人の朝はそう甘いものではない。
最初に、自分の読みが甘く、また利用人数が比較的多めの駅から駅へ移動する通勤経路であったことを謝りたい。
ゴールデンウィークを前にクソ浮かれた大荷物野郎が、死地に赴く戦士たちの苛立ちを助長させたことを地に伏して詫びたい。
とにかく消えて無くなりたい。
こんなエクストリームな輪行は初めてだった。
一番端の車両に乗り、輪行袋は壁づけにしたが、そういう問題ではなかった。
とにかく混んできて、私はすでに地に足がついていない。
あろうことか、輪行袋も人に押されて浮いている。
ただ、目的駅はこの電車の終点。
大変申し訳ないが、乗客全員が降りる駅ならば、何とか大荷物も動かせよう。
それすら甘かった。
……電車を間違えた……
いつもの終点には止まらず、地下鉄に直通になってしまう電車であった。
人は増えるばかり。
浮いてる。
自転車も浮いてる。
3つほど先の駅が乗り降りの激しい駅なので、そこを狙ってエスケープするしかない。
その駅は会社へ向かう乗換駅とは何ら関係がない。
心の中で死ぬほど謝りながら、通勤客とともに、何とか駅に降り立つ。
駅すぱあとでルートを検索し、ホームをさまよって乗り換え路線にたどり着くが、
そこには、
人身事故による遅延のおしらせ
そして、遠い異国の地のようにはみ出したまま電車に乗り込む人々
それを何とか車内に押し込めようとする駅員さん
その電車が乗るはずのものだと知り、立ち尽くす私……
そんな地獄が広がっていた。
結局、すいている電車に乗り込み、降りられる駅降りられる駅をはしごして、
予定より1時間遅れて会社に到着。
このとき、雨はさらに強まっていた。
びしょ濡れで会社のシャッターを開けようとしていると、他の社員さんに見つかり荷物が自転車だとバレる。
誰かに見つかる前に倉庫に自転車を入れ、優雅に朝マックしようとしていた野望は砕かれた。
社員さん「あっ、自転車ですか」
クロ「はい……」
別に悪いことをしているわけではないけれど、なんとなく決まりが悪い。
とはいえ扉を開けておいてくれたので、その好意に甘えてそそくさと自転車を置き、ダッシュで朝マックへ。
疲れを癒やすべくガツガツ飲み食いしてから会社に戻ると、私が自転車を持ち込んだことは、周知の事実となっていた。
日頃からロードバイクを乗り回していると言っていてよかった。
そして、就業。
このとき冷静になっていれば、帰り道も退勤ラッシュとかぶってエクストリーム輪行になるのはわかっていたはずなのに。
避けられない戦いは、宇都宮の地にたどり着くまで続くのであった。
退勤ラッシュから少しでも逃れようと乗り換えを繰り返し、21時過ぎになんとか宇都宮にたどり着く。
駅を出てすぐのホテルに飛び込み、早めの就寝とした。