チャリ沼にドボン!

また夢に負けて、昨日を愛おしんで

運べ総北魂!2017フレッシュ日本橋②

山梨県南アルプス市(PC1)~山梨県道志みち入口(PC2)

 


さて、次の通過チェックまでは約65km。なんとこの区間獲得標高は1000mを超えているものの、下りは400mほど。
ほとんど登りという、結構な正念場だ。

 

ここからは完全な日没。

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通る道は精進ブルーラインや山中湖湖畔と、一部甲斐300で通っている道だが、かなりきつかったことは記憶に残っている。


とはいえ、これを乗り越えれば道志みちの下りや自分たちのお馴染み練習コースなどが待っていて、いくらでも挽回できる。
あせらず、淡々と。
そんな思いを胸に、再スタートをした。

 

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スタートから10kmほどで、20km近い登り基調が始まるはずのこの道。
勾配図を見るに、後半はかなりきつそうである。
結構身構え気味に暗闇の住宅街を走り、ほどなくして……まさに、ここから山の中というところだった。

 

 

 

通行止め

 

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……???

迂回路?????


暗闇の川浦の交差点で、茫然とした。


看板に迂回路の説明があるが、それがどの道なのか、一体何キロあるのか、戸惑いつつミーティングタイム。
スマホを駆使しして導きだしたルートが、迂回路としてあっているだろうということで、とりあえず暗闇の山道へと進むことになった。

 

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街並みの明かりが一望できる高さ。

これがまたしんどい。


そこそこ下ったかと思うと、やはりがっつりと登り。しかも斜度がかなりきついエリアもあり、何キロ続くのかもわからないまま、ヨボヨボと進んでいく。
迂回路を通ったせいで、目的地までの距離が測れなくなる。


ひたすら登ってようやく元のルートに復帰するも、そこは精進ブルーラインの合流地点。

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つまり、ここからが斜度もきつくなる、本格登りゾーンだ。

 

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甲斐300は途中で「若彦トンネル」の方面へ行ったので、そこそこで済んだが、今回はトップまで登らねばならない。
いつまで続くかわからない登り、暗闇、加えて結構な雨、しかし身体は汗でビショビショ、虫さんはドリンク切れ寸前……。


この区間は本当に地獄めいていた。
というか、精進ブルーライン再びのトラウマゾーン。

 

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今回のコースに頻発する「山の神」という名称にも、から笑いしか出てこず……。

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精進湖まで2km」という看板が見えてからほどなくして、ようやく登りは終わりを告げた。

 

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自販機で補給、距離を確認すると、おそらく予定の距離より7~8kmは伸びている。
時間も、想定よりは随分押しているようだ。


ここから次の通過チェックまで35kmほど。湖畔の平坦道と思いきや、富士吉田のゆる登りなど、まだまだ我々を苦しめる道のりは続くのだった。

 

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距離と時間が把握できたことで、気持ちは少し落ち着きはじめる。しかし、この時間帯、疲れや眠気が出てきてもおかしくない。

死にそうな女たちが「青木ヶ原樹海」へと差し掛かる……。


そこで、私たちは小江戸巡り400でも力を発揮した、弱虫ペダル(っぽければなんでもいい)しりとり」を開催することにした。

 

「あの夏を思い出す手嶋純太!!!!」

「たまには甘える荒北靖友!!!!」

「もどかしそうにする黒田雪成!!!!」

 

「「「それ同人誌で100億回みたやつ〜〜!!!!」」」

 

段々と、しりとりに妄想要素が強くなり、二次創作で見たやつしりとりになりつつある。

 

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「ホテルだ!!!登り坂だって〜〜!!!」

「ま!!!!な!!!!!て!!!!」

 

「「「ウーーー!!!!!ウーーーーーーーッ!!!!!」」」

 

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我らは、しりとりの言葉につまるたびに、

 

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御堂筋くんと同化した……。

(弱虫ペダル/15巻より)

 

これにより速度もノッてきて、かなりいいペースできたが、登り基調が強くなると、速度に対してずっとしゃべり続けるのは息切れを起こす。
というわけであえなく休戦。

 

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そろそろ、補給ゼリーの味にも飽きてきて、ペースが落ちかけていたとき……。
反射ベストを着た、2名のランドヌールがベルを鳴らしながら横を追い抜いていった。


「何のブルベだろ?」などとのんきなことを言っていると、後続かららきた更なるランドヌールのお兄さんたちが、「フレッシュですか?」と声をかけてくれた。
同じ日本橋フレッシュに参加する、別チームの方々だったのである。
かなりへばっていたので、励ましの言葉に力をもらい、「もしゴールできたらナイスプレイスで会いましょう」と告げてその素早い背中を見送った。


お兄さんたちは速かった。そして、本当に、めちゃくちゃ励まされた。
後で調べてみると、そのお兄さんたちとエンカウントするルートは、山中湖周辺のほんのわずかな距離だけだった。


元気を取り戻し、ようやく平坦路へ。
山中湖湖畔のマリモ通りに至る頃には、再び雨が強くなってきた。
そこを、上げ目の速度でひた走る。


予定より35分ほど遅れて、道志みち入口のローソン、PC2へと辿り着いた。

 

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グーグーいうほどお腹が減っているのに、胃酸のためか完全に胃をやってしまい、固形物が食べられない状態に。
鉄のとれるアサイードリンクと、ゼリーの速攻元気をぶちこみ、いざというときのためにおにぎりとプロテインバーをトップチューブバッグへ入れた。


いよいよ道志みち
甲斐300トラウマ払拭ライドのつもりだったが、またも大雨のダウンヒルと相成ったのだった。

 


山梨県道志みち入口(PC2)~神奈川県相模原市(22時間地点)

 


この次に止まるのは、フレッシュのルールに則り22時間地点の場所になる。迂回により距離が伸びてしまったので、予定した地点には時間的に辿りかないだろう。
というわけで、ここからはガーミンとにらめっこ。


最後の2時間で25km以上走行かつ、360km以上を目指すには、ここから3時間程度で55km以上は走った方がよさそうだ。


雨のなかの山伏トンネルまで登り、ストームクルーザーのファスナーをしめて道志みちダウンヒル
ちっとも、寒くない!

視界は悪く雨もざあざあ降りだが、随分マシだった。


途中、眠気ざましのコーヒーのため、道の駅どうしに寄る。今回も道の駅どうしは命を救ってくれたが、ここからがさらに地獄を極めるのだった。

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クロ「雨だけどあったかいだけマシだね~~」
じぇんさん「少し雨脚も弱まってきてるね」

 

先頭をいく虫さん「霧やっっばい」

 

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濃霧。
ガードレールのリフレクターが意味をなさない。白線も見えない。
かろうじて機能しているのはオレンジの線のみ。

 

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ものはためしとvolt1600をハイモードにしてみるも、スクリーン効果になってしまい、真っ白になるだけで余計に何も見えない。


ここからは、声出しに意識を配って、注意深く走ることにした。


クロ「がんっっばらっないとーーー!」
虫さん「期待なんかぁあああ!!」
じぇんさん「されなぁあーーーーーい!!」

 

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(弱虫ペダル/34巻より)


かの名シーン、古賀公貴とインハイをかけて戦う手嶋純太の台詞である。
多分、私はこの手嶋純太の台詞が一番好きだ。
今回のフレッシュは、くりかえしくりかえし、時にはふざけて舞台役者さんの千秋楽verとか言いながら、何度も口にした。

 

「気持ちが切れない方が勝つ!」
この言葉にも励まされた。


完走を目指す気持ちに、相変わらず弱虫ペダルは力をくれる。
彼らの努力の結晶が、何とかやり遂げようとする私たちの背中を押してくれた。

 

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この区間は下り基調だろうとタカをくくっていたが、結構登る。
霧の中、半ギレになりながら、明け方4時。
330kmを超えて、ついに、証跡を残すのによさそうな相模原市のローソンへと辿り着いた。

 

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・神奈川県相模原市(22時間地点)~神奈川県川崎市の交番(24時間地点)


私たちは6:00スタート。
というわけで、ゴール時刻2時間前のジャスト4時に証跡をとり、ラストスパート。
30kmほど2時間で走り切れば、とりあえず完走にはなりそうだ。

 

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最後の敵、尾根幹。

 

矢野口方面へ向かうので、難易度は低い方ではあるが、ここにきて尾根幹とか何のトレーニングだよ!とシャウトしそうにもなる。

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じぇんさん、虫さんに襲いくる眠気。

そして、トイレTT……。

 

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トイレ………!!!!

 

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さまざまなものも振り払うために爆走し、尾根幹を抜けてもともとの通過チェックへと駆け込んだ。

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最後のレシートも確保、ついに夜が明けた。


明るい市街のラストスパートを、最後はじぇんさんの鬼牽きで駆け抜ける。
時間内の360km達成が確信に変わっても、最後までガシガシとペダルを回す。あくまで当社比だが、24時間経とうとする身体にしては、元気に走ることができた。

 

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この時間帯は、ほとんどのチームがまだ走っている。各地で、ようやく迎えた夜明けの中。
それだけで何だか心強かった。


最後まで速度を落とさないことで、ああ、フレッシュ(矢)みたい!と、感動が湧き上がる。
そして、3人そろって元気に、ついに24時間目を迎えた。

 

川崎市内の交番で、ゴール!!

 

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交番の時計とガーミンと一緒に写真を撮って、24時間363kmの走行が終了した。

 


ここからは、各々身支度のために一度解散
仮眠なり、シャワーなり、それぞれ人間に戻る作業を行って、ナイスプレイスで落ち合うことになった。


10時からの集まりは、他チームのカラーがよくわかる、楽しい時間だった。エンカウントしたお兄さんたちとも再会を果たし、ツイッターでお見かけしていた方々の無事も分かる。
そうして昼過ぎ、ほぼ屍となった私たちは、長い旅を終え、解散した。

 


今回もトラブルや気象条件がはちゃめちゃな中、ともに走り抜けてくれたじぇんさん、虫さんには感謝の気持ちしかない。


3人揃ってゴールをする、それこそ総北魂!!という、弱虫ペダル好きに恥じない、素晴らしいフレッシュを終えることができた。
繰り返し、純太を拝んだことも、この無事のゴールにはご利益があったのではないだろうか。


3枚のジャージを、ゴールに運ぶことができて、本当に本当によかった。

 

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今日もお疲れ様でした!(総北魂、きっちり届けたぞ!)