4月7日、気温は高いもののくもり空。
フレッシュのスタート地点となる新潟県に向かうため、虫さんと新幹線で前入り。
じぇんさんは午後休での現地合流となる。
新幹線片道切符の旅を楽しみ、コロコロ変わる天気に、明日への不安を覚えながら……糸魚川駅に到着。
ホテルに荷物だけ預け、15:00のチェックインまでそこそこ時間があるので、昼食を食べる。
そば屋「金七」、自転車を立てかけておいていいかと聞いたら、ものすごく感じ良く応じてくれた。
私が頼んだジオ丼(観光地らしいジオパークからとったもの?)は、刺身と山かけのどんぶり。
ジオ丼の内容は、各店舗で違うらしい。
おいしくて、量も多く大満足。
続いて、ヒスイで有名な糸魚川市。
せっかくなので日本海&ヒスイ海岸を見にいこうということに。
日本海は真っ暗……海もそこそこ荒れている。
海岸ではたまにヒスイが見つかるというが、結局関係のないきれいな石を拾って終わった。
暗い!!
そして、最後の立ち寄りスポット。
「一印かまぼこ店」
観光情報誌にも載るくらい、有名なところなのだとか。
名物のかまぼこメンチをいただく。さかなのすり身だけでなく、肉も入っているというそれは、驚くくらいのジューシーさ。
さっぱりしているのに、うまみがじゅわっと溢れだして、かなり美味だった。
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ここからは、後入りのじぇんさんと合流し、朝飯を調達してホテルにチェックイン。
実はこの糸魚川で、まさかのフレッシュ参加者の方と遭遇していた。
ホテルも一緒らしく、先ほど街ですれ違ったときにはおたがいに励ましあったが、とても士気の高まる出会いだった。
あとはひたすらくっちゃべりながら、ブレーキシューを交換したり、ルートのおさらいをしたり。
周辺ホテルより少し高いけれど、実はこのホテル、大浴場がある。
のんびり足を伸ばして風呂に入ることで、明日への英気を養った。
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さて、私たちをここまで自転車の世界に引きずりこんでくれたのは、言わずもがな漫画「弱虫ペダル」!!
ロードバイクが欲しくなってしまっただけのオタク女たちが、随分遠いところまで来てしまった気がする。
今回のフレッシュは、チーム戦。
チームといえば、やはり黄色の総北ジャージ。
私たちはこのジャージ3枚を完成形とし、魂を運ぶことに決めた。
じぇんさんのジャージの背中には渡辺先生直筆の、まばゆいばかりの手嶋純太の姿が……。
祈祷タイム。
無事の完走を祈って、手嶋純太に想いを捧げる。
ツイッターを見るに、他のフレッシュ参加チームの皆さんは、飲んだり食べたり充実している様子。
なぜ私たちは、風呂上りに祈りを捧げているのか……???
じぇんさん「純太~~純太~~~」
クロ「純太~~~純太~~」
虫さん「(動画撮影)」
とにもかくにも安全に、怪我をしないこと。
3人で元気にゴールすること。
命の危険を感じたらDNF。
そんなことを目標に、24時間にもわたる旅がはじまろうとしていた。
◆
そして、出発の日、4月8日。
・スタート糸魚川駅~道の駅白馬
何かとばたばたしながら、スタート時刻の6:00。
糸魚川駅前にて。
証跡写真を撮ってくれたタクシーの運転手さんありがとう。
総北ジャージを着込んで準備万端。
ここから、60km近くは登り基調だ。
新潟の景色は山々に雪がだいぶ残っている。
前日の雨や、先週の雪の影響か、道はほぼウエット。
川も淀んでいて流れが強い。
白馬温泉のあたりのプチヒルクラポイントには、何だかありがたそうな大仏の姿が。
クロ「ねえ、この大仏くじらいさん※に似てる!」
じぇんさん「わかる」
※クロが推している俳優さん。舞台弱虫ペダルの手嶋純太役である。
このあたりでペダステのモノマネも入れつつ、大仏様に無事を祈願。とりあえず何でもかんでも拝んでおくことにした。
ペースはとにかくあせらず進む。下りがくればそこでグロスも回復するだろうと、時間はあまり気にしない。
やがて、雪景色が濃くなり、白馬のスキー場へ。総北ジャージと雪山という、レアすぎる組み合わせ。
クロ「じぇんさん!前出て!ヒエーーー雪景色と総北ジャージとかめっちゃレアじゃん!!」
まだ残りが長いので、はしゃぎすぎて疲れないように、はやる気持ちを抑えつつ道の駅白馬で小休止。
ここで55kmほど。
雪山に囲まれているが、気温はそこそこ高い。
前日にスーパーで買っておいた練り羊羹が、いい仕事をしてくれた。
・道の駅白馬~長野県松本市
30kmほど下り基調になり、長野県へ。
青木湖や木崎湖はちょうど晴れているタイミングで見ることができ、青々とした美しさに思わずテンションも上がる。
青々といえば、このあたりの景色の山は、まさに青く、自分が知っている緑の山々とは違うのだなあと見とれてしまった。
晴れたり、大きく雲がかぶさったりしながら、長いこと平坦道を行く。
と、松本市街に入り、景色がかなり都会になってきた。
気温もぐんぐん上昇し、途中でサーモジャージを脱いで半袖仕様に。
路面が悪く、車もそこそこ走るので路肩によけていたが、私が運悪くここでパンク。
実は道中でのパンクは初めてだったので、ここで?!という気持ちになったが、修理を手伝ってくれた2人の手際の良さにただただ甘えてしまった。
特に、小江戸巡り400でパンクしたてのじぇんさんの手際の良さは、ちょっとした職人だった。
さて、パンクはすぐに事なきを得たからよいものの、このあたりの爆風向かい風は、本当に凄まじかった。
2番目を走る私でさえ、まったく進まない。
息苦しいくらいで、突然風向きが変わると、横から自転車が飛ばされそうになる。
昼時、ずいぶんお腹も空いてきた。
風にヒーヒー喘ぎながら、110kmくらいの地点で、お昼休憩をとることになった。
ラッキーなことに、イートインのあるファミリーマート。最初の通過チェックまでは、100kmを切ったところだ。
休憩のあとは晴天の向かい風を進み、塩尻へと向かう登坂車線へ。
虫さん「登りつらい!!楽しい話して!」
さっきまでの晴れが嘘のように、真っ暗な雲に向かって突き進んでいく。
登りの道中に、なぜか焼き肉店とラブホテルが。
「これ焼肉食いに行こうって言って、飲んじゃったから運転できない、少し休んでいかないかってなるやつじゃん~~~!ずるいわコセキン~~」
登坂のペースは、腐女子トークに花が咲く。
金城真護のあられもない話で盛り上がっていると、頂上へ。一応、ここが今回最大の標高地点。
このタイミングで、雨脚が強まってくる。
しばらく下ってみるも、濡れ具合が凄まじいので、ようやくゴアテックスを着用!
すごい、本当に濡れない!
保温性が高く、暑いくらいだった。
雨でも快適ダウンヒルのあとは、ムシムシムレムレで軽い登り基調の市街地を行く。
この頃、15時頃だったが、なぜか先頭を牽いていてひどい眠気が。
何故だ??と思っていると、じぇんさんがカルパスをくれた。今回、じぇんさんはカルパス配るマンをキメるという。
カルパスの塩分でびっくりするほど回復し、ふたたび背中の純太に祈りを捧げた。塩分不足とは恐ろしいものだ……。
そして、諏訪市の富士見峠を目指す。
峠といっても、最終地点は交差点の、やや登りがちな道だ。
登り途中のコンビニで軽いトイレ休憩をとって、頂上へ。
ここからは山梨県のPC1まで長い下り基調。
じぇんさん「この補給、ブログで読んだんだけど、最高におすすめだからあげるね!」
魅惑のうずらのたまご!!!
虫さん「うめ~~~!」
クロ「うわ、うめえ!塩分うめええ」
じぇんさんはイイ笑顔で、カルパスとうずらの卵を配るマンになってくれた。
そして、ぎゅんぎゅん進んで山梨県入り。
景色も住宅地が増え、ずいぶんと都会に戻ってきた感じに。
信号も多少増えるが、何となく安心感がある。
空腹を覚えつつ、夕暮れ前の桜並木を楽しんで、
ようやく初めての通過チェック、セブンイレブンへ。
ここまで200kmほど2000up。
次のセクションへ進むための、大休憩をとることにした。