5月5日、望んでいた快晴。
私にとっての連休の最終日は、ローディーたちの憧れの地に捧げることにした。
その場所とは、漫画「ろんぐらいだぁす!」でもおなじみ、
である。
連休の最初にライドを予定していたが、直前にまさかの吹雪で凍結し、予定の調整に七転八倒して、この日を迎えた。
今日は、電車での旅が片道4時間ほど。
じぇんさん、虫さん、ゆたそさんという、おなじみメンバーとかの地を目指す。
4時間などと言わず新幹線を使ったらどうか、という声も聞こえてきそうだが、残念ながら乗車時間は短くなるものの、現地に早く到着するわけではないので、そこにお金をかけるのはやめておいた。
ゆたそさん、虫さんとは起点の駅から、じぇんさんも旅の3分の2は一緒だ。大荷物を抱えた女たちは、ほとんど修学旅行のような状態である。
その日の気温は、渋峠が最高22℃、最低13℃とだいぶ高めである。
道中はそれよりもずいぶん暑いので、
冬用ビブタイツ+夏用ウェアに薄手のウインドブレーカーを羽織って現地まで向かった。グローブは、指切りでいくことにする。
行きつけのコンビニでもらった柏餅を食べたり、寝たり、
画像をコラージュして遊んだり、
………
長旅を経て、到着したのは長野原草津口駅!
ここで、おたふくインナー(長袖冬用)に着替え、ウインドブレーカーのほかに、冬用のジャケットと冬用グローブを持参することにした。
地図が読めない私も、じぇんさんとともに行く道をひとまず確認。
さて、渋峠という場所は、とりわけ景色の美しさばかりが語られる。
実際、前情報は「長いが美しい」「疲れも吹き飛ぶ絶景」「初心者でもゆっくり行けば大丈夫」というものだった。
だが!!!!!!
まずこの印象は、出発地点から渋峠入口までのあいだに打ち砕かれる。
そんなこととは露知らず、晴天の中、期待を胸に私たちはペダルを回し始めた……
出発したはいいもののすぐに登り。
ひたすら登り。
ずっと登り。
草津までは、10%が平均ともいわれる、10kmほどの登りだ。
スコーーンとした青空のもと、アスファルトの上でじりじり焼かれながら、無言になって登坂車線を行く。加えて、この日は結構向かい風が強い。
やっと勾配が落ち着いてきたころに、名物である国道292号の「メロディーライン」が現れた。
自転車にとっては、ガタガタ道の上を、不協和音の草津節を聞かされる、あまりありがたくないゾーンだ。
車もそこそこ通るため、怖いような気持ちになる。
そして、交差点前のセブンで一息。
虫さん「何これ……」
ゆたそさん「は?めっちゃキツいんだけど」
時間は正午を回った頃。頂上までは補給ポイントもないのでしっかりめに食べるが、帰り時間を思うと一抹の不安が過る。
クロ「帰りの電車は16時半……は無理か。1本しかない17時台を逃すとさあ……次は19時台まで電車ないんだよね」
じぇんさん「それ乗ると何時につくの?」
クロ「23時半………」
翌日はもちろん仕事の4人全員が、微妙な顔をする。正直、ここまでの風が吹いてなければこんなに心配にはなるまい……という気もしていた。
当日入りの渋峠には、帰りの時間という、思わぬ落とし穴があるのだった。
一抹の不安を抱えつつ、ひとまず登ってみなければ始まらないと、頂上へ向けて出発することにした。
②につづく