チャリ沼にドボン!

また夢に負けて、昨日を愛おしんで

駆け上がれ、はやま南郷ヒルクライムスプリント2016

「クロさんこれ出ない?」


いつものごとく、我らがLINEにじぇんさんがぶち込んできた、謎のレース。


「700mしかないんだよ」
「日本一短いヒルクライムレース目指してるんだって」


それが、
三浦半島サミット事業認定はやま南郷ヒルクライムスプリント2016

 

何言ってんだこいつ???となるのはご愛嬌。
そもそも、ヒルクライムスプリントなんて、何で思いついたんだ……と言いながら、物は試しと大会コースを走りに行ってしまう私たちだった。

 

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11月6日、早朝は秋らしい冷え込み。
日中の晴天に期待しつつ、逗子駅へと降り立った。

 

虫さんは仕事であえなく不参加のため、じぇんさんと待ち合わせる。
おたがい電車や出がけのトラブルもあり、待ち合わせ予定より30分ほど遅い集合。

 

受付、競技説明までは15分ほどしかない。いくら駅からそう遠くはないとはいえ、会場までのTTは必至だった。

 

 

・南郷上ノ山公園へ


クロ「何この坂!!!」


輪行の荷物を背負った私たちの前に現れたのは、レースのコースよりも長い、同じような斜度の坂だった。
近道らしいと案内された山を半ギレで越えていく。


じぇんさん「まあ、いいアップになったと思って」


ぜーぜーしながらのダウンヒル。そして、さらに待ち受けていたのは、実際にレースで走る例のコースだった。


クロ「受付この上なの?そりゃそうだろうけど、ここ登っていくの?」


レース前のコース試走はできません、と事前メールに書いてあったため、油断していた。

 

が、考えれば会場受付ができる場所など、この坂の上にしかない。


時間も迫っていたため、上げめのペースで同じ坂を登り、ようやく会場へ。
今年の参加賞は、ザバスのピットインゼリーだった。

 

開会式には、思ったよりもたくさんの人が集まっている。

 

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・チャンピオンシップ


じぇんさんはチャンピオンシップ(勝ち抜き戦)とタイムトライアル、私はタイムトライアルのみの参加だった。


昨年よりは増えているらしいが、やはり女性参加者は少な目である。
チャンピオンシップは最たるもので、男女混合のなか、複数本走るじぇんさんはすごいの一言に尽きる。

 

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チャンピオンシップは勝ち抜き戦だが、敗者復活戦もあり、さらには決勝に至るまで数ステージあるために、とにかく走る走る。


上位に食い込んだ人たちは、あの全力走を何本もくり返すのだから、凄まじいと思う……。

 


・チャレンジタイムトライアル


そして、タイムトライアル。
ちびっこたちの参加者もかなーり多い。


同じ世代ごとに並んでのスタート。私たちのカテゴリは少ない。


10秒おきぐらいにスタートするが、クリートがハマらず股を強打。これが結構皆さんやりがちで、数秒のロスは間違いない。
上位のカテゴリになると、このキャッチミスだけで集団から離されてしまうのだとか。


そもそもショボ脚の私は、TTとはいえ時間差で走り出したお姉さん(あとで聞けば、実業団にいた方だったと!)とじぇんさんに抜かされていく。


全力走するには長く、じりじり追っていくには短すぎる700m。
出せるだけ出す!という気持ちで走るものの、苦しさの体感はいまひとつ。むしろ、朝の受付TTの方がつらかった。


沿道から応援の声があり、反射的に笑顔で「ありがとうございまーす!」と言ってしまう。そんな余裕があるのだから、まだまだだ。


結局、全体でいえば後ろから数えた方が早いしょんぼりタイムでゴール。


もし次回があれば、応援してる人の目など気にせず、とんでもない顔になったとしても速いタイムで駆け抜けたいものだ。

 

 

・葉山グルメタイム


チャンピオンシップの決勝までには1時間以上あるので、徒歩でコースを下山し(もちろん歩道)、目と鼻の先にある「道の駅 HAYAMA STATION」でお昼を買い込むことに。


これが目当てだったと言っても過言ではない。

 

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まずは「旭屋牛肉店」葉山牛コロッケとからあげ。
激ウマコロッケは75円、からあげは100g150円と大変お安い。からあげは100gで3つほど、個数でも注文できる。


そして、葉山のパンといえば「BleDore」

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和三盆がけクロワッサンと、おみやげにデニッシュ食パン、アップルパイ、フランボワーズショコラを買い込む。

こんな買い物も、ライドではなくレース(=終わったら輪行帰宅)のなせるワザだ。

 

 

・そして決勝!

 

うきうきとお昼をゲットし、来た道を徒歩でヒルクライムして、最終決戦に備える。

勝ち抜いたのは、10代〜40代まで各1名ずつの男性たち。たまたま年代がばらけたらしい。


決着は長くとも2分ほどでついてしまう。
が、登りのゴールでスプリントを決める姿は、それはそれはもう、かっこよかった。


なんと今回のチャンピオンシップ、商工会様の大盤振る舞いで、1位~3位の選手には葉山牛が手渡された。

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1位はどどーんと1kg贈呈!!
生肉らしく、保冷剤も用意してくれているという準備の良さだ。


私とじぇんさんもありがたく表彰してもらうことができ、楽しく南郷ヒルクライムスプリントを終えることができた。

 

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小規模ながらも管理のきっちりした、非常に気持ちのいいレースだった。
町長も駆けつけ、非常に楽しそうにしておられ、自転車に力を入れている姿勢がよくうかがえる。


小学1年生~60代後半まで参加できるこのイベント、来年以降もこのちょうどいい規模と素敵な運営を保ったまま、続いていってほしい。


そして私も、もう少しゴリゴリと駆け上がる脚を手に入れたい。

 

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今日もお疲れ様でした!(ご褒美は金麦)

 

 

BRM1029東京300甲斐②

・PC2〜山伏トンネル

 

ここからは、淡々と登り基調。

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どんどん暮れていく景色を眺めつつ、あれやこれやと雑談しながらひたすらに走る。

 

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精進ブルーラインに合流する頃には、すでに真っ暗闇。volt1600×3人分が大活躍するような道の景色になっていた。

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前回のブルベも今回のブルベも感じたが、日暮れの走行エリアがほぼ山道。
自分たちのペース配分を考えれば、過剰すぎるくらい明るいライトを持っていても、それが余るということはなかった。

殺されて捨てられてもわからないぐらい、夜のヒルクライムは暗い。

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たまに斜度がガツンと上がるように感じる山道を、えっちらおっちら走っていくと……最後の一息となる登りの直前、野菜直売所のトイレスポットで本降りの雨となった。


第一の正念場である若彦トンネルまでは登りきったが、このとき振り出した雨が、確実に命を脅かすことになる。

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長い長いトンネルを抜け、雨が降りしきる市街地をひた走る。ゆるやかな起伏とともに少しだけ交通量が増え、今度は富士吉田へ至る長〜い登り基調。


そして、真っ暗闇の河口湖湖畔へと辿り着いた。キューシートとガーミンが一致せず、雨は降りしきり、道に迷っている感覚に翻弄されながら、何とか目的の山中湖側の道志みちへと突入。

 

これが最後の登り、山伏トンネルに至る道だ。
4kmほどの登りだが、山中湖側はあまりきつくなく、あと少し、あと少しと念じている間に無事に頂上へ到達。


びしょびしょに降られてはいるものの、寒さを感じるような状態ではなかった。

 


このとき、までは……。

 

 

・死のダウンヒル〜PC3


冬用インナー+半袖ジャージ+指切りグローブ、ウィンドブレーカー+冬用ウィンドブレーカー
夏用ビブ+レッグウォーマー


こんな装備だった私。全身は、すでにぐっしょりと濡れている。
残りは下り基調だから頑張ろうと、道志みちダウンヒルを開始して、すぐ。


寒い。

 

さむすぎる。


寒いというか、痛い。がんがん体温を奪われ、歯がガチガチといいはじめる。
ペダルに乗せた足が震え、ブレーキを握る手に力が入れない。車体ごと震動している気さえする。
シバリングがひどすぎて、すぐに呂律も回らなくなった。


クロ「待って、まって、このままだとやばい。まって寒すぎてしぬ」


私のへろへろな呂律に反して、2人は随分とまともな調子で受け答えしてくれた。励ましてもくれた。
だが、数kmすらとても耐えられず、逃れる方法がないとわかっていながら、道の駅どうし」に立ち寄ってもらった。


コーンポタージュを飲み、あたたかいココアをカイロ替わりにポケットに入れるが、あたたかさなどみじんも感じない。
身動きすると、濡れた衣類がさらに皮膚に触れて、悲鳴を上げそうになる。


じぇんさん「とりあえず、何はともあれPCに行くしかないから、がんばろ!」


もちろん! わかってはいるのだが、どこにいても、どの体勢をとっても、冷たい、寒いとしか感じられず、「行く……いくけど」と歯切れの悪いことしか言えなくなった。
ここからは、励まされながら、それでも失神するかもしれないと思いつつ、決死でダウンヒルを続けた。


しりとりをしたり、声を掛けてくれたり、2人は本当に支えてくれた、けれども。
感覚的にはPCについたらタクシーを呼んででもリタイアをしないと、意識を失うんじゃないかという状態だった。
救われる術がひとつも見当たらなくて、殺してくれと思ったくらいである。


余裕がない状態なのに、大雨と寒さで下りでの巻き返しが図れない。微妙に眠気もきている気がする。

私は自転車に乗っているのすらやっとで、しかも一度止まらせてしまったために、クローズに間に合わないのではないかと予感し始めた。


そして、こわくなって時計を見るのをやめた。
起伏の登りが少しだけ救ってくれたことと、本当に死ぬかもしれない、くらいしか頭が働かなくなった頃、ようやく下りきったあたりで雨が一瞬止んだ。


ほんの少しだけ、走行ペースが回復する。
もうクローズには間に合わないだろうな。むしろ過ぎてしまっただろうな。どうやって謝ろうかな……そんなことが頭をよぎっていた、そのとき。

 
じぇんさん「あのさあ、実は……PCまで残り1kmくらいなんだけど。あと5分しかないんだわ」


五本指をこちらにかざしながら、振り返るじぇんさん。


じぇんさん「私が牽くから、行ける?」
クロ「!!」
虫さん「いける!」
クロ「行こう!!!」


このときのじぇんさんは、最高にかっこよかった。手嶋純太みたいだった。
もう無理、死ぬとしか思っていなかったけれど、このときばかりはスイッチが入った。
行ける、行く、絶対間に合わせる。とりあえず何か買う!

 

PC3、254.8km地点のサークルKサンクス
それだけを考えて30kmをゆうに超える速度で走り抜け、レジへと飛び込んだ。
缶コーヒーだけ買ったそれぞれのレシートは、22:58と22:59。
PC3クローズの、1分前だった。

 

間に合ったものの、すでに死を覚悟していたクロ。この先2人とともに走るかどうか、決断のときだった。手袋と、貼るカイロを大小それぞれ10個ずつ買う。


生き返る方法はこれしかなかった。

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全身に17個のカイロを貼り、再び濡れた服を着込む。


5分ほどすると、呂律が回るようになってきた。エスタロンモカもここで決めて、深夜走行に備える。
借金20分。ゴールへ向けての47kmを走り始めた。

 


・PC3~ゴール


じぇんさん「2人がもし、さっきの速度についてこれるんなら、下りはガンガン踏んで、私が鬼引きするよ」
虫さん「大丈夫、行ける。ついてくよ」
クロ「今の状態なら、走れると思う」

 

そんなわけで、夜間の安全を大切にしたうえで、とても250km走ったあととは思えない当社比TTで市街地を走りぬけることになった。
信号が多く、思ったよりもロスするが、巡航ペースはかなりいい。


再び雨が降りだし、身体は重たくなるが、走れないというほどではなかった。
むしろ、3人にともえらくハイになっていた。


「いけるいける!!絶対に間に合う!!!!!」


正直、楽しかった。
思ったより脚は生きていた。
そしてついにゴール地点のセブンイレブンに辿り着いたのは、クローズ15分前。
302kmのブルベをついに完走した。

 
もう本当に笑ってしまうくらいハイのまま、ゴール受付のジョナサンに向かう。
遅くまで申し訳ない……と思いつつも、R東京の皆さんにあたたかーく迎えていただいた。


雨の嘆きを伝え、申請し、初めての300kmのメダルを獲得!

 

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感謝とともにスタッフの皆さんを見送って、私たちはご飯を食べながら始発を待つことにした。

 

 

・まとめ


トラブルが多すぎた
2人がいてくれて本当によかった
ジョナサンはとても寒かった

 

気付いたら過去の最長走行距離の210kmくらいを過ぎていて、よく分からないけれど、人を殺すのは300kmまでは距離じゃなくてイレギュラーなのだと知った。

今年度のブルベもこれで終わり。最後の一回がこの甲斐300でよかったと思う。

 

虫さん、じぇんさん、この2人とブルベに挑戦できたことは、恵まれているとしか言いようがない。

得意なことも、スタミナも、それぞれバラバラだけれど、ともに走ってくれて本当に本当にありがとう。来シーズンもお手柔らかによろしくお願いします。

 

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今日もお疲れ様でした!(冬の雨はトラウマ)

BRM1029東京300甲斐①

今年度のブルべ納め。

そして、初めての300kmへの挑戦。


今回言えるのは、イレギュラーのトラブル要素が多すぎて、


「生きて帰れてよかった」 


ということに尽きるかもしれない

 


10月28日、金曜日の夜から新丸子駅そばのホテルに前泊。明日のスタート地点は川崎とどろきアリーナだ。


仕事を大急ぎで上がり、家に自転車を取りに行ってからホテルへの移動。虫さんとは同室、直前まで参加が危ぶまれていたじぇんさんは別室だ。


3:45にアラームをかけ、4時間ほどの睡眠……。

 

そして、10月29日の目覚め。
まず、寒い。

 
そして昨晩のからあげ弁当が完全に胃もたれ。
無理やりヨーグルトジュースとバナナのみを食べ、出発。前泊の荷物は、近くのコンビニから自宅へ送っておく。


ちなみにこの日、偶然にもじぇんさんとクロはふたりともボトルを紛失し、ペットボトルを差しての走行を余儀なくされていた。

 

 

・スタート~PC1


当日、予報はくもりだった。
受付に向かい2kmほどの道のりを走っていると、同日同スタート地点から開催の、ぐるっと関東一周の参加者の方々とすれ違う。


暗くて分からなかったが、このなかにRさんやSさんもいたらしい。この方々のチャレンジは600km……想像したくもない領域だ。


今回、じぇんさん、虫さんクロが参加した


BRM1029東京300甲斐


は、エントリーの時点で27名ほど。こんなに参加人数の少ないブルベは初めてだった。 

 

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R東京のスタッフさん方に、「初300なんです!」と不安な気持ちをぶつけ、「このコースはそこそこきついぞ~」「え?柳沢峠200行ってきたの?」「じゃあ大丈夫」「いけるいける」と口ぐちにシャブを打っていただく。


何が大丈夫なんだ!と思いながらも、あたたかな励ましのお言葉を胸に、薄暗い道を走り出した。

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ここからPC1までの区間の時点で、すでに小さなトラブルが続出だった。

 

 

じぇんさんは数日前からの体調不良、クロも突然の過活動膀胱で15kmおきにトイレ休憩を求めるような状態、虫さんも貧血気味で体調不良。

 

また、R東京が提供してくれていたルートラボは、本格的に「参考程度」だった。
直線でざっくりと引いてあるために、実際の道と照らし合わると、なぜか微妙にずれてきてしまう。

キューシートももちろん併用しているが、名前のない交差点や曲がり角での指示では、混乱することもしばしば。

 

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さらに、じぇんさんのサイコンの電池が切れたのもここだった。これに関しては交換用電池を持ってきていたため、なんとか事なきを得るのだが。


速度は上げず、トイレ休憩を取りまくり、加えて道にも迷い、かなりタイムを使いながら先々週の「柳沢峠200」で走った道に合流。 
ようやくペースをつかんできて、晴れ間も見え、全員に安堵と余裕が漂う。


結果的には45分ほどの貯金を残して、先週と同じPC1のセブンイレブンへと到着した。

ここまでで62.9km。

 

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水とさけるチーズを買い、朝ごはんで食べられなかったおにぎりをひとくちと、ゼリーを補給。チーズは、いざというときのためにウェアのポケットへ。


そして、先週来たばかりの、柳沢峠への道に入る。

 

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ゆるやか~~な起伏を25kmほど、おそらく柳沢峠?というところに入ってからは17kmくらいだ。


このあたりになると快晴で、ウインドブレーカーも不要になる。


クロ「あ、じぇんさんのジャージ……ジャイアントアルペシンじゃん」
じぇんさん「そう!気持ちだけでもさいたまクリテリウム、と思って」

 

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私たちは……このブルベのために、たまクリの参加を諦めたのだった。


虫さん「じぇんさん、ジャージ見せて~~」


魂だけはさいたまクリテリウムに飛ばして……!!

 

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そして、美しき奥多摩湖の湖畔を進んでいく。

 

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先々週ぶりとなる柳沢峠は、ずいぶんと秋の色が深くなっていた。 

 

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微妙に色合いを変えた景色を楽しみながら、2回目の峠の楽さを体感しつつ、ゆったり登っていく。


前回と同じ建築事務所でトイレ休憩&ドリンク補給をして、頂上までは残り4km。 

 

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ここからが、若干斜度がきつくなる印象だ。


クロ「サイコン完全にイったんだけど……」
虫さん「え?あ、私もだ」 


走りだしからやや不調だった私のサイコンが、ここで完全に停止(おそらく電池切れ)


センサーの電池切れらしく、電池を先ほど替えたばかりの虫さんのサイコンも、なぜかここで計測不能に。
この時点で、正確な距離を測れる人はいなくなった。  

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一抹の不安を感じつつ、今回も泣く泣くわらび餅をスルーして、無事に登頂!

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ここからはPC2まで50kmほど下り、

 

というイメージだった。

 

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期待に反し、軽快な下りは柳沢峠のぶんの30km弱まで。残りは、確かに下り基調ではあるようだ……

 

が、ひどい向かい風。

 

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土手のような、風よけの一切ないところを、吹き飛ばされそうになりながらローテーションで進んでいく。 

 

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パワープレイに頼らざるを得ないきつさは感じるものの、速度はそこそこ出ているので、下り基調には違いないのだろうが……。


そして、貯金を50分ほど作ってPC2のローソンへ。このPCは158.6km、折り返す地点にあるため、数名の参加者とすれ違うことができた。

 

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ここで、しっかり食べて準備を整えることに。


前回ブルベから続く、新しい靴の靴擦れにより、私のかかとは限界。また、それをかばうために膝にも痛みが出てきていた。
応急処置のため、冷えピタを買い、それを膝とかかとに貼り付ける。
湿布の代わりのつもりだったが、これがなかなか、効果かあるように感じた。

 
押し麦のスープを食べ、いざというときようにくるみパンを買い、飲み物を補充して出発。


時間は16:00過ぎ。
ここからPC3までが、登りが多く長い下りのない、日暮れの正念場だと感じていた。

 

②につづく

 

感動、激走、虫の息……2016JAPAN CUP

10月22日、極寒の始発電車。


10月20日夜の羽田空港お出迎え…
10月21日お面速報やチームプレゼン…


すでにエンジン全開準備万端で迎えたジャパンカップ当日。

 

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現地に前入りしたじぇんさん、みそこさんと合流すべく、私と虫さん宇都宮へと向かった。


途中で真嬉さん、お連れ様の織人さんと電車が一緒になり、寒さで死にそうになっていた私たちにあたたかすぎる差し入れをもらう。

この時にもらったカイロは、のちのちまで私の命を救った。


宇都宮についたらウルトラライトダウン買うんだ……と心に決め(結局買えなかった)、乗車時間は3時間近く。
何度来ても遠い。

 

渡辺航先生のサイン会の抽選権を手にいれ、場所とり、荷物預入れ、朝ごはんと奔走する。


今回のレースで引退のファビアン・カンチェラーラを推す虫さん、みそこさんは、彼の出現情報を聞くや駆け回る。


と、通りがかった例のホテルから、トレックの選手御一行様が……

 

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うーーーん、すばらしい。


スカイの選手やオリカの選手も、結構街をうろうろ歩き回っている感じだった。


お面作りを眺めたり、ネイルサービスに並んだり、航先生のサイン会にありがたーく並んだりしているうちに、レース開始。

 

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(尚、このハートの顔は手嶋純太である)

 

見ての通り、盛り上がる準備は万端だ!

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・ホープフルクリテリウム


若き才能たち、最高。
強くて速いのに、身体がまだ細く、しなやかなでたまらない。
一位の根本選手、さわやかで、コメントもしっかりしていて、でもその歳らしい素直さが見えてとてもとてもよかった。
最後の周回、コーナー回ったくらいから、チームメイトとうまく結託できていたと思う。チームの子がアシストしてくれてたような。
根本選手のゴールが決まったとき、同じジャージの男の子がガッツポーズをしているのを見て、素晴らしすぎてのたうちまわりそうになった。
皆ぜひ彼を見習って、ガッツポーズの練習をしてほしい。

 

 

・ガールズケイリン


本当にかわいい。皆さん、お顔が花があって可愛らしい。ゴールドキャップのお姉さんの圧倒的な勝利でした。
強くて可愛かったら最高だと思う。見応えばっちり。ぜひ、本場で見てみたい。

 

 

 ジャパンカップ クリテリウム 

 

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私は、下り基調のモニター側で応援をしていた。

出来すぎたくらいに素晴らしく、トレックがコントロールし、勝利を収めたレースだった。
引退ということもあり、勝利が期待されていたカンチェラーラの意向は、「別府選手の連覇」のようで、応援をする私たちのヒヤヒヤした気持ちとは裏腹に、序盤からトップ集団に入り、ガンガン前に出て集団を牽き倒すような展開に。
4周おきの周回賞では、新城選手がくるか?!と思いきや、井上選手がかっこいいスプリントで獲得していった。安定感があって渋い、かっこいいお方だった。


途中で2人が逃げ、(そのほとんどの時間をBMCのジョゼフ選手が牽いていた)最終周回近くまで2人が逃げるも、最後は吸収。

 

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先頭にトレックが固まり、それぞれが仕掛けだすと、ラスト選手が別府選手を牽いてぐんぐん前へ。


そして発射。
別府選手のスプリントが決まり、見事2連覇を決めたのだった。

 

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今回はカンチェラーラ激推しのメンツと観戦していたのもあり、この勝利には歓喜虫さんの魂のこもった写真たちが、それを物語っている。


別府選手の勝利があまりにも格好よく決まったので、ゴールシーンでは泣いてしまった。

 

あの、動画やモニタ越しに見ていた超人カンチェラーラ選手の最後の勇姿を肉眼で見られたことは、本当に稀有で、とんでもなく恵まれたことだと思う。

 

 


翌日も引き続きレースを楽しむ皆と別れ、ひとり餃子ディナーと決め込む。

 

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帰路の3時間は長いが、思い出にひたれる、素晴らしい一日だった。

 

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今日もお疲れ様でした!(Tシャツはみそこさんお手製)

 

BRM1015西東京200柳沢峠②

・PC1~笹子峠、大幡峠~PC2


PC1を出発してすぐ、フルーツラインという農道のアップダウンを越えていく。気温の高さと、ジェットコースターのような視覚効果がなかなかに堪える。

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このPC1~PC2の区間は峠越えが2回含まれていて、区間距離は45kmほど。正念場ではないだろうか。


フルーツラインを越え、交通量の多い登り基調の国道20号を登りきり、笹子峠へ。

約7km、平均勾配は6%ほどだ。

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この笹子峠が結構クセモノである。
峠のスペックどうこうというよりも、次のPCのクローズ時間や、200mおきに残りの距離を示す謎の看板が、妙にあせらせる。 

 

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けっして嫌いな峠ではないのだが……。一般ローディーさんに励まされつつ、三人でペースを合わせて頂上を目指す。


ちらほら、後続の参加者さんと一緒になり、最後の看板「残り400m」

 
クロ「え?400m?待って、上にガードレールあるよ?」
じぇんさん「あ~~……あと2つくらいカーブあるね」

 
最後の400mで、白いガードレールが頭上に2つづらくらい見えたときは、いよいよ殺意極まるといった感じであった。


だが、頂上には、AJ西東京のスタッフさんが待っていてくれた。ブリーフィングで聞いていた通りの撮影スポット、加えてシークレットだったらしい。

 

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笹子トンネルの前で、記念撮影と抜き打ちチェックを受ける。


時間のあせりが募るなか、まだ大丈夫ですか?と弱々しく問うと、
スタッフさん「全然大丈夫!ここから次の登りまでは全部下りだから、むしろ余裕だよ」
と本当にやさしい笑顔で教えてくれた。気持ちがあたたまり、随分と楽になる。


そして、有名な参加者さんで、最後尾のペースメーカーとなりうる人の存在を教えてもらい、励まされて再出発。

 

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落ち葉の吹き溜まりや毎カーブごとに待ち受けるグレーチングに注意しながら、下りで距離を稼いでいく。

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この区間最後の登りとなる大幡峠は、距離はそこまでないので、あせりすぎないようにしっかりとこなして、PC2へと飛び込んだ。

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 147.1km地点、クローズまでは23分。

ドキドキのこの貯金は、出発時にはなんと8分になっている。

 

ここからは雛鶴峠の登りを含むとはいえ、4時間で44km。勝機は見えてきた。
あらびきフランクと魚肉ソーセージで空腹を満たし、メダリストドリンクにいい加減口が飽きてきたので、午後ティー無糖を流し込む。

 
毎回感じるのだが、ブルベの終盤になるにつれ、ゼリーや栄養ドリンクの味に飽きがくるのが苦痛で仕方がない。
じつはここで補給を失敗しているのだが……、それは雛鶴峠に入ってから気づくのだった。

 


・PC2~雛鶴峠、藤野の起伏~ゴール


ゆるい登り基調の道を進んですぐ、雛鶴峠はやってくる。
というか、どこからが峠なのかいまいち分からないが、平均勾配は5%以下だろうか。
ゆったり登っていけるくらいの道なのだが、ここで胃の不調。 


空腹を感じPCで食べたものたちが、エネルギーになるのがなかなか遅い。
足が回らず、ついに売り切れたか……と絶望しながら、息も絶え絶えに新雛鶴トンネル手前の頂上へ。  

 

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クロ「ちょっとタイム!補給させて!」


ここでBCAAゼリーを摂取すると、あっさり回復。普通の食事をしてすぐに登りだすと、消化に体力を奪われ苦労することになる。

ていうか、魚肉ソーセージとあらびきフランクってなんだ。完全にチョイスミス!

 


あとは本当に、感謝しかないほどの長い長い下り基調。
田舎道を、夕暮れとともに走り抜ける。

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このへんになると景色を楽しむ余裕もできて、ぽっかり浮かぶ大きな大きな満月に全員で感嘆。

 

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手づかみできそうなまるまるとした月は、はしゃぐほどきれいだった。


さて、とっぷりと日も暮れたところで、最後の足削りゾーン。藤野の起伏だ。

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何を思ってこのルートを組んだのか、藤野の起伏は車がほとんどこない代わりに、外灯もほとんどない。

 

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たまーーーーーに、オレンジ色の灯りがぽつんとあるくらいである。
しかも、結構な長さの登りと下りが計4回。
完全な山道のため、ガードレールの外は深い谷である。


9月に参加した箱根200で、volt1600の威力に感銘を受けたことは記憶に新しい。私と虫さんは、早速導入したvolt1600で、この深い深い闇を煌々と照らした。

 

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クロ「何これ、ウケる」
虫さん「クマに襲われても気づかないだろうな……」
じぇんさん「これが本来のブルベなんじゃないかな?本場のフランスとか、外灯もあまりないっていうしさ」


じぇんさんだけ、ここにきて悟りを開く。


本場かどうかはよく分からないが、集中がきれがちな最後の30kmを、この暗闇によってダレずに走り切れたのはよかったと思う。
そこまできつい登りや下りではないので、ドキドキしつつもそこそこ楽しめた。


この謎の起伏を越え、下って大通りにぶつかると、そこは観覧車の輝く相模湖プレジャーフォレストだ。


ほかの参加者数名と出会い、ゴールまでの明るい道をトレインになって進んでいく。
最終的に9名ほどの集団になって、ゴール地点のローソンへと辿り着いた。

30分ほど貯金を取り戻し、獲得標高4000mへのチャレンジは、無事に時間内完走となったのである。

 


・ゴール受付とお疲れ様の集い


ゴールでは、Wさんが差し入れを買って待っていてくれた。
覚えていてくれただけでもありがたかったのに、ご褒美までもらってしまって、頭が上がらない。

 

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たとえ息も絶え絶えに完走しても、辿り着いただけであたたかく迎えてもらえるのだから、ブルベは本当にすごいイベントだ。
このままダラダラしていたくなる身体に鞭を打って、ゴール申請地点のケルビム(町田市にある、オーダーフレームのショップ)へと向かう。

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AJ西東京の今年最後のブルベということもあってか、そこにはたくさんの人が留まっていた。
レシートとブルベカードを確認してもらい、申請完了。

 

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諸先輩方とお話しさせてもらいつつ、提供してもらったあったかいココアを飲み、お菓子をつまむ。

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AJ西東京のこの空気は、今まで参加したなかで一番ともいえるアットホームさだ。

 

ブルベのやばい人「ブルベは座ってればいいわけじゃん?登りなんてのは貯金だから」


最後に聞いたこの名言に、ブルベの世界の深さを知るのであった……。

 


・まとめ


今回の反省点……
登りだけでなく、下りもリサーチしておくこと。気持ちに余裕を持つこと。

巻き返しのタイミングを把握して、同行者をあせらせずにタイムマネジメントができたら最高だ。


ちなみにブルベ参加の1週間前に靴が壊れ、お世話になっている方からの急遽の購入で事なきを得たのだが、新品でガチガチかつ、これまでより小さめの靴は、足を負傷させるほどだった。
とはいえ、完走できて、本当によかった。

 

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今日もお疲れ様でした!(帰り道のカツ丼がうまい)

BRM1015西東京200柳沢峠①

10月15日、願ったり叶ったりの秋晴れ。
こんなに気持ちのいい週末の快晴は、久しぶりかもしれない。

 

今日は、虫さん、じぇんさんとともに


BRM1015西東京200柳沢峠


への参加である。


6:30スタートのため、じぇんさんも相模原近隣へ前泊しての挑戦となった。
スタート地点は相模原北公園、最寄の相模原駅からも4.5kmほどだ。

 


今回は、女性参加者が多い印象を受けた。
たくさんのランドヌール、ランドヌーズたちを見渡し、「我らが最弱……」とおそれおののく私たち。

 

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それもそのはずで、このブルベは獲得標高4000という、タフなコースの山岳ブルベなのだった。

なんで来たのだろうと、今朝の今朝、むしろ出走直前の今でさえ、そう思っている。

 

さて、今回はありがたいことに、富士山一周200でも会った、Sさんが出走者たちの見送りにきてくれていた。
虫さんが相変わらず坂への怒りをぶつけ、Sさんは笑ってくれる。


Sさん「結構きついコースなのは間違いないね。でも、見渡す限り……三人が一番弱いってことはないんじゃないかなあ」


お知り合いの多いSさんの励ましに、気持ちは少し明るくなる。とはいえ、最弱の称号はゆずれない。


また、今回は私たちが初めて出たブルベの逗子200で声をかけてくれた、Wさんとも再会を果たした。なんとWさん、今回のブルベの取り仕切りの御方。
覚えていてくださったことに感激しつつ、たとえ時間外となってでも、帰還することを心に誓う。


というか、スタートとゴール地点の違うこのブルベ。輪行の荷物をスタッフさんに預けてしまったため、何があろうと帰ってくるより他ないのだ。

 


じぇんさん「4000アップは初めてだからさ~、未知への挑戦ってワクワクするよね!」
虫クロ「はあ????」

 
Sさんに元気な最後の一枚を写真に残してもらい、出発。

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・スタート~通過チェック


スタートが相模原ということもあり、前半は割と見知った景色の中を走る。

 

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ゆったりめのトレインに乗らせてもらい、かなり安定したペースで進んでいく。高尾を越え、和田峠に行くための多少のアップダウンがあるが、参加者の皆さんはあまりペースを崩さない。


これはまさか、獲得標高4000mへ向けての温存なのか??と恐怖がよぎる。


ブリーフィング時の寒さはどこへやら、晴れ晴れとしたいい気候のなかを行き、小さめの戸沢峠と、

 

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最後に路面が赤くなって斜度のアップを教えてくれる梅ヶ谷の2つを越えて、通過チェックのセブンイレブンへ。

ここで、40.1km地点だ。

 

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貯金は1時間くらいだっただろうか。
ここでは何と、レジが激混み。一般のお客さんもびっくりするほどの大行列に。
女子トイレはすいていたが、男子トイレはひどいことになっていた。


とりあえず水だけ買い、持参した魚肉ソーセージとアミノ酸ゼリーを補給。


待ち受ける登りの数々に備えて、休憩は早々に終え、出発。

 

 

・通過チェック~柳沢峠~PC1


ここからはかなりのどかな道に入る。

 

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参加者は前にも後ろにも見え、起伏が増えるためにつかず離れず抜きつ抜かれつ、完全にマイペースに。

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景色はよく道も走りやすいが、トンネルが多いことだけは要注意だ。


やがて、鮮やかに広がる奥多摩湖が姿を現した。

 

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思わずはしゃいでしまうほど、色濃く、おだやかで美しい。秋晴れの澄んだ空気を吸い込んで、快走する。

 

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ここからメインのひとつ、柳沢峠を迎えるわけなのだがゆるーく登って下ってをくり返しつつの登り基調なので、正直どこから柳沢峠に入ったのか分からない。

 

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一応、丹波山村役場?のあたりから、17kmほどの登りらしい。平均勾配は4.9%で激坂区間は特になく、一定斜度のゆるいカーブが続いている。


虫さん「坂ビンタしたい」
クロ「ビンタ」
虫さん「私の手が痛くなってもいいから、責任を持ってビンタしたい……」


そうは言いながらも、とりあえず3人で淡々と登る。

 

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10kmほど進んだところで、自販機休憩を挟み、赤コーラでカロリー摂取。これが意外と効くもので、はじめて赤コーラの素晴らしさを知った。

止まっていると、次々と参加者さんたちが寄り道をしていく。


参加者さん「箱根200にもいましたよね?」

 

実は、今回休憩スポットや道中で、こんなふうに声をかけられる機会が多かった。
ブルベ参加の年齢層としては私たちはやや珍しく、女3人組などいないに等しいので、記憶してくれていた人もいたらしい。


休憩しつつのちょっとした雑談に、今回もブルベのあたたかみを実感した。

 


再び、柳沢峠の登坂に復帰する。
頂上まであと3kmという地点に、名物の「名水わらび餅」の茶屋がある。

 

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ロードバイクが何台も止めてあり、寄り道をしても問題ない脚力の人たちが、グルメを堪能している様子。
吸い込まれそうになるのを必死に我慢して、今回は完走目的!と走り出した。


つづら折りをえっちらおっちらこなし、ようやく登頂!

 

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澄んだ空の奥に、富士山の頭が見える。

 

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わらび餅を食べていた人にもあっさりと追いつかれた。

 

ここからはウィンドブレーカーを着込み、15kmほどのダウンヒル山々に抱かれた道を、軽快に下っていく。

 

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開けた道が多く、カーブのときには肝が冷えるが、かなり壮大な景色が見える。

 

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この下りで貯金を取り返し、PC1のセブンイレブンに辿り着いた。

 

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現在102km地点。

肉まんと水を補給し、持ち歩き用におにぎりを購入。持参していたあんぱんを一口かじった。


ここでの貯金は30分ほどになる。

 

②につづく

 

 

 

起伏とグルメとお面芸?!伊豆大島合宿③

そして、合宿最終日の朝。

 

6時半頃、だらだらと起き出し、7時半からの朝食に向けて準備を整える。


ゆたそさん、みそこさん、クロは着替え始めるが、虫さんが起きない。
そこで、そっとカンチェラーラを寄り添わせる。

 

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この数秒後、目覚めた虫さんによってカンチェラーラ布団の波へと飲み込まれていった……。

 

 

 

おおかた準備を整えて、やさしくておいしい朝ごはんを楽しむ。
干物とほかほかごはんなどなど、朝食定番のメニューが私たちを迎えてくれた。

 

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明け方伊豆大島入りをしたらしいちひ子さんは、昨日荷物を預けた御神火温泉で、温泉&仮眠をとっていたらしい。
ばっちり宿泊割引を適応してもらい、いざ出発!


元町港の観光センターまで、軽快なダウンヒル

 

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ついに、ちひ子さんと合流。

弾丸参加になってはしまうが、また一緒に走ってもらえることがとても嬉しい。

 

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ようやく、メンバーの10人全員が集合だ!!

 

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時間は、9時を少し過ぎた頃。
荷物をふたたび観光センターに預け、走り出す。 

 

 

・御神火スカイラインヒルクライム


ここからは、念願叶っての「御神スカイラインヒルクライムだ。
御神火スカイラインとは、3年前の大規模土砂災害で通行止めになっていた、三原山へと向かう道のひとつである。


それが、つい先日、9月10日に開通したとあって、それはもう行きたくて行きたくて仕方がなかった。


すでに二度御神火スカイラインを経験をしているゆたそさんの先導で、スタート地点へ向かう。
元町港から5分かかるかかからないかくらいだろう。


看板が目印となり、ヒルクライムスタート!

6km弱、平均勾配は8.7%とほどほどだ。

 

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距離も長くないため、ヒルクライムは各自解散となる。


mioさん「私来週レースだから、ちょっと先に行くね」


ひゅっと先行したmioさんと、それを追うじぇんさん、いめさん。

うーん、皆かっこいい。


軽快な背中を送り出し、前半のゆるやかな勾配を楽しみながら登っていくことに。追いかけないぞ!という暗示は大切だ。

 

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ブルベのように後先を考えなくていいヒルクライムは久しぶりで、本当に爽快だった。

 

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前半はゆるく、中盤から斜度は10%あたりを推移する。
つづら折りはそれなりに細かいので、ひとつのセクションはさほど長くなく、あまりきつさを感じさせない。

 

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時折景色が開け、走ってきた道が見渡せるのも素晴らしい。

 

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ずっと悪天候だった大島合宿だが、なぜかこのヒルクライムの瞬間だけは晴れた。

 

2~3ヶ所ほど工事によって片側車線の区間があるが、走るのに苦労するほどではない。


吹き抜ける風速9mの風にもてあそばれ、斜度の割に速度が出ない区間もあったが、気持ちのいい道だった。
前方に先行者たちの背中をとらえてからは、サボらず、淡々と、踏めるところでは踏み、進んでいく。

 

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山頂の駐車上へといたる、開けた最後の500mほどは爆風で、下手をすると反対車線まで押しやられるほどだった。


蛇行しないと進めないほどの向かい風に耐えて耐えての……ゴール!

 

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この伊豆大島で、三原山山頂へと続く道の中で最もきついとされる御神火スカイラインを、ようやく登ることができた。

 

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感動もひとしお……と言いたいところだが、風が強すぎて外での待機はできそうにない。
いめさん、じぇんさん、私はバイクラックのある休憩所で室内待機。

 

mioさんは、なくなったバーエンドキャップを探しに行く目的で、おかわりをしにいった(強い)


その後、ぞろぞろと皆が山頂へと到着するが……

 

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ひとり、足りない。

 


クロ「真嬉さんがいない!」

 

mioさん「えっ?!先に行ったよ?」

虫さん「まさか……下った?!」

 


どうやら、山頂駐車上入口で、別の登山ルートへと入り込んでしまったらしい。
つまりは、別の登り口へ向かってダウンヒルをしているかもしれない……?


虫さんとmioさんが、真嬉さんを保護しにいくことに。


その後真嬉さんとは無事に電話がつながり、そう遠くない地点にいるということで、迎えに行った2人と無事に山頂へと復帰することができた。

mioさん、図らずもめちゃくちゃおかわりヒルクライムの巻である。

 

 


・御神火茶屋でティータイム


全員揃ったところで、偶然にも営業していた「御神火茶屋」でひと休憩。

 

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山頂のお店は営業していたりしていなかったりと不規則なので、今回が初めての来店になる。

 

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あまり時間もないのでコーヒーやカフェオレを急ぎ足に楽しんで、

 

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山頂で一枚!

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ダウンヒルは、ゆっくりを心がけても15分もあれば下りきってしまう。

 

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虫さん「あんなに時間かけて登ったのに、下るのは15分くらいだね!」

むっちんさん「…ひどい…!!」

 

まさに、ヒルクライムの真理である。

 

 


・そして、岡田港へ

 

元町港から岡田港へはゆるい登りも含む、約8km。
せっかくだからと景色を眺めに、サンセットパームラインを通っていく。

 

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向かい風と荷物の重さで修行のようになるが、それでも海沿いの道は美しい。

 

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最後は港へ向かってダウンヒル(大島入りの朝、私たちを殺した坂だ)、出港までに余裕を残しての到着となった!

 

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各々おみやげを買ったり、名物の大島牛乳をつかったスムージーを飲んだり、最後まで島を堪能する。

 

強風の影響か、大型客船は10分以上遅れての到着になったが、無事に乗船。

二泊三日で走り抜けた伊豆大島と、別れの時を惜しんだ。

 

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さて。

いつもなら、ここからは船のなかで酒盛りをはじめるところなのだが。
おかしい。


船の揺れ方が尋常ではない。


食事をするべく食堂に入ったが、熱気と匂いとひどい揺れに、ほとんどのメンバーが船酔いにダウン。
食事すらもできないほどに……。
4回も大島にきて、船酔いにメンバーが襲われたのは、今回が初めてだった。

私とちひ子さんといめさんだけ、割とピンピンしていたと思う。

 


結局、寝て休んだり、甲板で潮風に当たったりして、控え目に過ごした。


東京湾に入ると、船の速度も揺れもゆるみ、全員が回復に向かったので一安心。


最後の長旅で船酔いに悩まされたことだけが残念だったが、無事に、皆ケガなく楽しく、竹芝へと帰りつくことができた。

 

 

 

伊豆大島
距離がほどよく、適度に不便で、自転車で行ったら自転車に乗る以外は何もできないような島。
美しく、人はやさしく、スケールもほどよい素晴らしい場所だ。


ぜひ、皆様お誘いあわせのうえ、泊まりにいってほしい。

 

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今日もお疲れ様でした!(名物・べっこう寿司はまた次回)