「クロさんこれ出ない?」
いつものごとく、我らがLINEにじぇんさんがぶち込んできた、謎のレース。
「700mしかないんだよ」
「日本一短いヒルクライムレース目指してるんだって」
それが、
三浦半島サミット事業認定はやま南郷ヒルクライムスプリント2016
何言ってんだこいつ???となるのはご愛嬌。
そもそも、ヒルクライムスプリントなんて、何で思いついたんだ……と言いながら、物は試しと大会コースを走りに行ってしまう私たちだった。
◆
11月6日、早朝は秋らしい冷え込み。
日中の晴天に期待しつつ、逗子駅へと降り立った。
虫さんは仕事であえなく不参加のため、じぇんさんと待ち合わせる。
おたがい電車や出がけのトラブルもあり、待ち合わせ予定より30分ほど遅い集合。
受付、競技説明までは15分ほどしかない。いくら駅からそう遠くはないとはいえ、会場までのTTは必至だった。
・南郷上ノ山公園へ
クロ「何この坂!!!」
輪行の荷物を背負った私たちの前に現れたのは、レースのコースよりも長い、同じような斜度の坂だった。
近道らしいと案内された山を半ギレで越えていく。
じぇんさん「まあ、いいアップになったと思って」
ぜーぜーしながらのダウンヒル。そして、さらに待ち受けていたのは、実際にレースで走る例のコースだった。
クロ「受付この上なの?そりゃそうだろうけど、ここ登っていくの?」
レース前のコース試走はできません、と事前メールに書いてあったため、油断していた。
が、考えれば会場受付ができる場所など、この坂の上にしかない。
時間も迫っていたため、上げめのペースで同じ坂を登り、ようやく会場へ。
今年の参加賞は、ザバスのピットインゼリーだった。
開会式には、思ったよりもたくさんの人が集まっている。
・チャンピオンシップ
じぇんさんはチャンピオンシップ(勝ち抜き戦)とタイムトライアル、私はタイムトライアルのみの参加だった。
昨年よりは増えているらしいが、やはり女性参加者は少な目である。
チャンピオンシップは最たるもので、男女混合のなか、複数本走るじぇんさんはすごいの一言に尽きる。
チャンピオンシップは勝ち抜き戦だが、敗者復活戦もあり、さらには決勝に至るまで数ステージあるために、とにかく走る走る。
上位に食い込んだ人たちは、あの全力走を何本もくり返すのだから、凄まじいと思う……。
・チャレンジタイムトライアル
そして、タイムトライアル。
ちびっこたちの参加者もかなーり多い。
同じ世代ごとに並んでのスタート。私たちのカテゴリは少ない。
10秒おきぐらいにスタートするが、クリートがハマらず股を強打。これが結構皆さんやりがちで、数秒のロスは間違いない。
上位のカテゴリになると、このキャッチミスだけで集団から離されてしまうのだとか。
そもそもショボ脚の私は、TTとはいえ時間差で走り出したお姉さん(あとで聞けば、実業団にいた方だったと!)とじぇんさんに抜かされていく。
全力走するには長く、じりじり追っていくには短すぎる700m。
出せるだけ出す!という気持ちで走るものの、苦しさの体感はいまひとつ。むしろ、朝の受付TTの方がつらかった。
沿道から応援の声があり、反射的に笑顔で「ありがとうございまーす!」と言ってしまう。そんな余裕があるのだから、まだまだだ。
結局、全体でいえば後ろから数えた方が早いしょんぼりタイムでゴール。
もし次回があれば、応援してる人の目など気にせず、とんでもない顔になったとしても速いタイムで駆け抜けたいものだ。
・葉山グルメタイム
チャンピオンシップの決勝までには1時間以上あるので、徒歩でコースを下山し(もちろん歩道)、目と鼻の先にある「道の駅 HAYAMA STATION」でお昼を買い込むことに。
これが目当てだったと言っても過言ではない。
まずは「旭屋牛肉店」で葉山牛コロッケとからあげ。
激ウマコロッケは75円、からあげは100g150円と大変お安い。からあげは100gで3つほど、個数でも注文できる。
そして、葉山のパンといえば「BleDore」
和三盆がけクロワッサンと、おみやげにデニッシュ食パン、アップルパイ、フランボワーズショコラを買い込む。
こんな買い物も、ライドではなくレース(=終わったら輪行帰宅)のなせるワザだ。
・そして決勝!
うきうきとお昼をゲットし、来た道を徒歩でヒルクライムして、最終決戦に備える。
勝ち抜いたのは、10代〜40代まで各1名ずつの男性たち。たまたま年代がばらけたらしい。
決着は長くとも2分ほどでついてしまう。
が、登りのゴールでスプリントを決める姿は、それはそれはもう、かっこよかった。
なんと今回のチャンピオンシップ、商工会様の大盤振る舞いで、1位~3位の選手には葉山牛が手渡された。
1位はどどーんと1kg贈呈!!
生肉らしく、保冷剤も用意してくれているという準備の良さだ。
私とじぇんさんもありがたく表彰してもらうことができ、楽しく南郷ヒルクライムスプリントを終えることができた。
小規模ながらも管理のきっちりした、非常に気持ちのいいレースだった。
町長も駆けつけ、非常に楽しそうにしておられ、自転車に力を入れている姿勢がよくうかがえる。
小学1年生~60代後半まで参加できるこのイベント、来年以降もこのちょうどいい規模と素敵な運営を保ったまま、続いていってほしい。
そして私も、もう少しゴリゴリと駆け上がる脚を手に入れたい。
今日もお疲れ様でした!(ご褒美は金麦)