チャリ沼にドボン!

また夢に負けて、昨日を愛おしんで

ワクワクTOJ観戦&ゆる坂トレーニングライド

梅雨入りし、休日の天気も思わしくない6月。
ここ2週のふわっとしたロードライフについてまとめてみようと思う。
いつものライド記録よりも、より雑感であることは間違いない。

 


6月5日、ツアーオブジャパン東京ステージ。
雨のためライドを中止して、じぇんさん、虫さんと会場へ向かう。
弱虫ペダル作者・渡辺航先生のチャリティーサイン会の整理券をもらってから、E1&E2のレースを観戦する。


やっぱりレースはゴール前!

 

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ということで、チャーミングでパワフルなRR観戦の諸先輩方に混ぜてもらい、ゴールライン前の最高の位置取りで応援タイム。
雨が降ったりやんだりのため、落車が多かったり、選手が攻めきれなかったりするようだけれど、目の前を水しぶきを上げながら選手が走り抜けていく姿はやっぱり熱い。


その後は、各メーカーのブースでお買いもの。Raphaがこんなお値段で…?!てなわけで、虫さんたちもウキウキご購入。
レースやサイクルイベントは、ブースを見てお得に買い物するのがやっぱり醍醐味だと思う。


食事関係の出店も豊富で、それぞれボリューム満点。タコライスにサワークリームをどかっと盛ったり、大きなナンにカレー&ライスで舌鼓を打ったり、ビールなんかも観戦のお供にできる。


前日にTOJ伊豆ステージでステージ優勝をとった新城幸也選手が出走し、お目当てのレースが始まった!というところで、幸いにもサイン会に当選し、離脱することに。


わたるん先生に、感謝と応援と勝手なご報告なんかをして、熱い握手をしてもらう。
先生の手は、とても熱くて、力強い。この手であの話やあの子たちを生み出すんだなあ……と思うと、声も震えるというものだ。

 

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サインの抽選漏れと思われる方々がブースをたくさん取り囲んでいて、弱虫ペダルも面白いけど実際のレースも面白いんだよ~~」と、余分なことを言いたくなる。
レース観戦はただ見ているだけでも面白いけれど、推しの選手がいると多分300倍くらい面白い。

 

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新城幸也選手や、教えてもらったばかりの中村龍太郎選手を力の限り応援して、大満足。
先頭とメイン集団が最後の周回で絡まなかったのが残念だったが、とても白熱したレース観戦になった。

 

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ちなみに、選手のファンサービスが直接的な人気につながっていることは一目瞭然だ。なつっこい選手はやっぱり人気が出る。

 

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ぜひ、観戦の際には事前情報を手に入れて、心の中に推しを用意して応援してみてほしい。

 

 

 

 

そして、6月12日は虫さんと、ショップの定例おじさまライド。

 

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走り出しからさっそく、怪物おじさま(改造ママチャリで、富士急ハイランドに行ったり、ヤビツ峠30分台を叩き出したりした人)に、結構な起伏を30km/hオーバーで引き回される。


虫さんはしっかり追っていくが、私は位置取り的にも早々に離脱。起伏は下りで踏めないといけないんだよなあ……とつい苦々しい顔に。


そして、コンビニ補給をとってから裏半原越えへ。裏はリッチランドというカントリークラブの方からのアプローチだ。

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裏半原越えは、車通りのほとんどない林道といった気配だ。しかも斜度は一定で表に比べるとずいぶん緩く、距離も4.7kmと長くない。
加えて日陰のため夏場は涼しく、ゆるゆるとトレーニングするにはもってこいだ。

話せるくらいの強度で淡々と登り終える。

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表半原を下って、オギノパンの前を通り過ぎれば、間もなく服部牧場に。
馬や牛、ひつじやうさぎと結構な数の動物を抱えたこの牧場は、休日は家族連れであふれている。有難いことに、バイクラックも最近設けられた。

 

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名物は、もちろん牧場特製のジェラートだ。

 

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日も出てきて、ジェラートがほどよく美味しい気温。今回はドルチェ・デ・レチェ(ミルクと焦がしナッツ)をチョイス。

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途中、虫さんが足つり寸前になり、片足でしかペダリングできない!という事態になるも、梅干しなどをとりながら、誤魔化し誤魔化し城山湖に至るゆるい登りへ。

 

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3kmで150m弱を登っていくので、木漏れ日や巨大ミミズやらにも目を向けられるような、やさしい勾配だ。


登りとしてはやさしいとはいえ、頂上は市街地が見渡せ、城山湖も美しく広がっている。景色を楽しむにもいいスポットなのだ。

 

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厚木方面~宮が瀬湖~津久井湖~町田街道沿いに、ぐるっと円を描くような道のりで、この日は75kmほど。


暑くなってきたし、足つりを防ぐためには塩分だよね…と、家系ラーメンの補給が非常にはかどる。

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今日もお疲れ様でした!(麺固め油多めのライス付き)

 

 

目指せハンバーグ!足柄明神三国峠ライド

5月29日、ほどほどのいい天気。

 
今日のライドは、峠をはしごして美味しいハンバーグを食べにいこう!というものだった。
 
虫さん、じぇんさんと集合するのは
 
 
 
 
ここを出発して、足柄峠→明神・三国峠→籠坂峠を越え、御殿場の「げんこつハンバーグの炭焼きレストラン さわやか」に向かうのが、今日のコースである。
 
 
先にそれぞれの峠のスペックを挙げておくと、
 
足柄峠 7.2km 平均勾配7.4%
明神峠 4.5km(6.6km中) 平均勾配12%
三国峠 2.1km(6.6km中)
籠坂峠 2km 平均勾配4%?ほど
 
となっている。
 
足柄峠は、ランナーとバイカーにも人気がある、メジャーな峠らしい。
明神峠と三国峠は一続きの峠だが、その凶悪さは、ふじあざみラインの次とも言われているほど。6.6kmで、平均勾配は10%をやや上回る。
 
いつかふじあざみラインを楽しく(?)登るために、今日はその予行演習といったところだ。
また、籠坂峠はとても短いが、弱虫ペダルの1年次IH3日目で、鳴子章吉が命をかけたリタイア地点でもある。
 
ちょっとドキドキしながら、出発!
 
 
小田原駅を出発してすぐ、街中に最大勾配17%という謎の激坂が。
 
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距離は短いものの、あまりに高いところまで車が走っているので????となる。
ルートラボから拝借してきたルートだったが、これを引いた人はいったい何を考えていたのか……その坂は、もちろん通らなくてもよかった場所であるのは言うまでもない。
 
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20kmほど走って、コンビニでひと休憩。
程なくして、峠道へと入った。
 
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足柄峠は、勾配の看板がやたらめったら乱立する、ちょっときつめの峠のようだ。見た目で脅されるわりに死にそう……というほどではないが、下ってくるランナーが私たちから見た左側を走行しているため、結構ひやひやする。
 
とはいえ、道幅は広く、舗装も良い。
 
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緑が濃くて美しい。
 
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標識による視界の暴力は感じるものの、つづら折りのため少しだけ楽に感じる気もする。
 
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ただ、いよいよアスファルトが太陽の熱でムッとする時期が到来。ちょっとはりきると、暑さ慣れしていないせいか、頭が痛くなる。
 
無事に登頂して、
 
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こいつは前菜にすぎないのだ……とばかりに、早々と下る。
 
 
途中、ビュースポットらしい「誓いの丘」を横目に、本日誕生日を迎えた、弱虫ペダルの真波山岳について想いを馳せる。
 
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彼が男をデートに誘った挙句に愛やらなんやらを誓う妄想をして、女3人は俄然元気に。巡航速度も上がるというものだ。
 
 
そして、向かうは明神・三国峠
小山交番前ににあるセブンイレブンが、鬼の峠へ向かう最後のベースキャンプになる。
ひとまずここで補給。
 
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有難いことに、このセブンにはバイクラックが用意してあった。
 
 
ブログ等の噂によれば、ここから魔の峠入口まではそんなに距離はないという。
 
が、
実際は、どう見ても山!という道を、登り基調で6kmほども走らされる。
 
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何度となく、
「ここから峠か?!」
「ここから7km弱?」
というトラップにあい、そのたびに、
「いや、斜度が10%を切ってる……どうやら違うらしい……」
と落胆するハメになった。
 
 
しかし、ようやく死の入り口が
 
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山梨県境まで6.6km」
という看板を、右折してすぐの道に発見。
 
目の前に伸びる道も、確かに勾配がきつそうだ。
そしてここからは、速度もクソもなく、ただの耐久戦。
ヒトケタ巡航なんて当たり前の、むしろサイコンが表示できる最低速度では?くらいのペースで、道の先だけをにらみつけて進む。
 
こんなに、体感の長い1kmがあっただろうか……?
 
今すぐ自転車から降りたい……。
 
そんなことばかり考えるが、有名な18%のドーナツ区間を超えると、ほんの一瞬だけ下り?緩斜面?が現れる。
 
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そこで、補給ゼリーをくわえて苦し紛れに息を整えるが、すぐに理不尽な16%が待ち受けていた。
 
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ハー……ハー……ッ……
 
いつまでも残り2kmの看板が現れず、死にそうになっていたところで、ようやく斜度が緩み三国峠1.5km」の看板が。
 
ここからはわずかばかり勾配も緩むので、最後の力を振り絞って登りきる。
 
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記憶にあるなかでは、2番目くらいにきつい峠だった…。
 
頂上で2人を待っていると、山中湖側から登ってきた同じKUOTAの女性ローディーに声をかけられた。
 
女性「どこからですか?」
クロ「小田原からです。足柄峠から、明神・三国峠と登ってきて……」
女性「キチ×イですね!!」
 
 
???
 
 
思わず吹き出してしまう私。
お姉さんも、初対面の人にキチガ×と言ったのは初めてだそうだ。
大変気持ちよく応援してくださったが、なんというか……坂シャブに慣れるのも怖い話である。
 
確かに峠をはしごするって頭変だよなあ~~と思いつつ、とりあえず愛車と記念撮影。
 
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ややあって、全員無事に到着!
 
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記念撮影を終えると、山中湖を眺めながら絶景のダウンヒルタイム!
残念ながら富士山は見えなかったが、景色の美しさはすばらしい。
 
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山中湖湖畔の道をゆるゆる走り、おまけのような籠坂峠を越える。
 
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このあたりから、道の舗装具合が怪しい感じに。
 
このあとも道の駅すばしりの辺りなど、長いダウンヒルが続くが、車がかなり渋滞しているため、危険なうえに20km/h以下の速度でしか進むことができない。
加えて道は悪く、大型バスをよけて歩道に上がると、その歩道がこれまたクソのように荒れているという始末。
白線にはよくわからない凸凹が埋め込まれ……御殿場市街に入る頃には、したたかに打ち付けられた股がとにかく痛い。
 
下り基調とは思えないほど時間がかかり、ようやく御殿場IC付近の、ハンバーグレストラン「さわやか」に到着した。
 
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この時点で17時すぎ。
 
まずい……
 
ディナータイムがはじまり、店内は混みあっている。1時間半待ちとアナウンスされ、小田原まで残り30kmほどの道のりと、自分の欲望と相談。
 
3人「食べていこう!!」
 
肉の香りにほぼ即決し、帰りのルートを組み直して、ウキウキと店内で待機。
自転車は、警備員さんのいる駐車場の電灯にくくらせてもらった。
ついでに、小型GPSもオン。
 
今日の峠トークで盛り上がっていると、待ち時間は意外とあっという間にすぎた。
迷いなく「げんこつハンバーグ 250g」を3人とも注文すると、10分前後で念願の肉々しいハンバーグとご対面。
 
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丸い塊を目の前で店員さんが切り、
鉄板に押し付け、
 
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立ち上るけむりと流れ出す肉汁を見ながらしばし待つ……
 
店員さん「ソースのハネがおさまったら、お召し上がりください」
 
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もう……、もう、待てない……
 
ふっとびそうな理性と戦い、じらしにじらされてからのひとくち。
 
肉!中は赤めの半生っぽいのがおすすめなそうなので、かまわずがぶり。
肉汁が半端ない。
 
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濃い味で、ライスが非常にすすむ。
もともと焼き目がついているため外側は固めではあるが、うまい。
内臓からあたたまって、血が巡るのがわかる。
 
3人とも食べ終えるのが非常に早かったため、待った割には早い時間に店を出発するこができた。 
 
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ここから小田原駅までは、下り基調の30kmほど。
 
完全に日は暮れてしまっているので、ルートに気を使いながら進む。
途中大型トラックの恐怖や、山北という地名の魔境や、街灯をケチった国道の闇と戦うこともあったが、無事に駅に帰りついた。
 
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今日もお疲れ様でした!!(つぎはさわやかでエビフライ)
 
 
 

2016佐渡ロングライド210、帰り道とまとめ

ロングライドイベントは、家に帰るまでがロングライドイベント。


というわけで、佐渡ロングライド後の素敵な帰り道と、今回のまとめや費用なんかを最後にお伝えしたい。
 
 
せっかくのホテル八幡館なので、ビュッフェ形式の朝食と、朝風呂をゆっくりと楽しんでから出発。
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チェックアウトの10:00ギリギリになると、ホテルの自転車置き場には私たちの自転車以外なくなっていた。
 
佐渡島はこんなかたちをしているので、一周するには210kmほどだが、真ん中をつっきればたったの15kmで反対側へ出ることができる。
 
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行きと同じ、両津港を目指して、平坦とゆるい起伏の道をのんびり走る。
ここがまた、景色がやさしくて美しい。
 
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あまり高い山がなく、水田と、低い建物。あますことなく佐渡を堪能した楽しみが、じわじわと胸に蘇る。
 
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尚、今回は入口を通り過ぎただけだが、佐渡には佐渡スカイラインという結構なヒルクライムスポットがあり、帰る前にそこを走ってくるという猛者もいるようだ。
 
荷物を背負って汗だくになりながら、港へ。
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乗船の列に並びながら、わかめアイスとかいう珍妙なものを食べてみる。
 
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船は行き以上に豪華なもので、食堂で佐渡限定メニューが数々用意されている。日本酒の金鶴は非常に飲みやすく、新潟限定サッポロビールは香り豊かでとてもうまい。
 
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途中PEKOさんのおすすめで、記念撮影をしようとカモメに餌をやってみるが、最後まで虫さんの手から餌がとられることはなかった
 
このかわいそうなポーズでカメラを構えているのが、虫さん。
 
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カモメにもてあそばれ、佐渡限定の酒を楽しみ、トランプをし、引きずり回されたライドの思い出で盛り上がり………
 
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あっという間の3時間弱。
 
おみやげは、新潟駅の新幹線乗り場の方に、商業施設がくっついているため、そのあたりでまとめて買うことができる。
 
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ここで、すでに酒の入った状態で、日本酒をさらに試飲しまくり、ふわふわへべれけで自分のおみやげにこちらをチョイス。
 
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その場で瓶詰してくれる、限定の吟醸生酒と、サーモン塩辛(いくら入り)はたまらない。
 
サーモン塩辛は独特の油分があるので、あつあつご飯に乗せて、とろっとやっても最高だ。むろん、サーモン塩辛をなめながら、キリリと冷やした日本酒は、抜群にうまい。
 
帰りの新幹線でもエチゴビールでまた乾杯。
 
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目を開けて見る夢は、帰路にいたるまでしっかりたっぷり夢心地のまま、幕を閉じたのだった。
 
 
 
最後にまとめと、必要経費をご紹介。
 
昨年の7月末、アザミユウコ先生の漫画「いきなり!ロングライド」で佐渡ロングライドの事を知った。8月になんとか淡路島一周150kmを走破し、佐渡ロングライドに出たい!」という想いは強くなるばかり。
だが、「公式イベントでの100km以上の完走記録が必要」という、参加資格が非常にネックであった。
 
8月末ともなると、自転車イベントのピークを過ぎ、あとは山岳系のイベントか、西の方面でのロングライドと、自分の走力で出られそうなものがない。
そんなことを相談してみると、じぇんさんが声をひそめて私にこう言ったのだった。
 
 
じぇんさん「ブルベ、興味ありません?」
 
 
こうして、佐渡ロングライドの参加資格がほしくて、翌年1月のブルベの参加を決めた。まさかブルベを続けることになろうとは、思ってもみなかったのだが。
 
長く心の目標として掲げていた佐渡ロングライドを、絶好の天気のなか、7ヶ所すべてのエイドに寄って食べに食べ、じぇんさん、虫さんとともに完走できたことは、本当に本当に恵まれていた。
 
食べ物がうまい佐渡島
島民の方々がめちゃくちゃ応援してくれる佐渡島
景気がやわらかくて、美しい佐渡島
 
人におすすめしたいことばかりの、佐渡島ロングライド210。
 
210kmコースは、ある程度の脚が必要であることは間違いないが、それでも豪脚でなければ死んでしまうという道ではない。
ぜひ、ひとりでも多くの人に、この島のロングライドイベントに参加してほしい。
 
 
以下、夢を見るのに必要な諸経費である……。
 
●交通費(片道表記)
東京~新潟間の新幹線
10,500円※
新潟駅~新潟港バス
310円
新潟港~両津港カーフェリー 二等
2,250円
フェリー手荷物代(輪行袋)
510円
 
※新幹線はJRのえきねっとを使うと、 「お先にトクだ値という早割で購入することができる。乗車日の1ヵ月と1週間前から事前申し込みでき、抽選のようなもので振り分けられる。うまくいくと、30~35%オフで新幹線に乗ることができるのだ!
私たちも、激混みの行きの分は抽選に敗れたが、帰りは35%オフになった。
 
●宿泊費(2泊3日)
1泊目夕なし朝弁当あり、2泊目朝夕つき
24,400円
 
佐渡ロングライド210参加費
9,000円
 
 
これと、諸々の雑費(移動時の食費やお土産代など)があれば、佐渡ロングライドを楽しんでくることができる。70,000円あればお土産を買っても十分お釣りが返ってくるはずだ。
まとめてみて思ったが、トクだ値で新幹線を押さえなくては、高い……。
 
ちなみに宿は大会用意のものなら申し込み開始日に、自分で押さえるならば大会日程発表日には申し込まないと、近場は確保できないようだ。
 
ぜひ、至れり尽くせりのイベントを堪能しにいってほしい!
 

目を開けて見る夢、2016佐渡ロングライド210③

クロ「ごっはん、ごっはん!おなかがすいた!」

 
ようやくたどり着いた弁当ステーションこと第4エイド、両津港。
 
そこには、弁当受け取りのための長蛇の列が形成されていた……。
なんでも、ビュッフェ形式を導入したため、ひどい混雑で、メインの食事にありつくまではかなりかかるという。
先にエイドにたどり着いた方や、ツイッターでの情報を得て、メインのごはんはパスすることに。ここで、30分以上も列に並んでしまい、完全にロスタイム。
 
味噌汁やいちご、クリームブッセ、プリンは並ばずにゲットできたため、それと補給ゼリーとでその場をしのぐ。
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のちのち、このエイド大混雑の原因は、島の人が一生懸命揚げたてを食べさせようとした天ぷらの遅れにあったらしい。
他は、米と佃煮数種と玉子焼きだったのだとか。
 
参加者の不満が噴出しているのを見て、非常につらい気持ちになってしまったのだが、時間制限がある以上ゆっくり待っているわけにもいかず……死んだ心で走り出す。
 
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次のエイドまでがもっとも長い40km。小さな起伏と平坦が多いとはいえ、心が死んでいて、だいぶ弱気に。
補給食を持っていてもこれなのだから、もし準備がなかったら……とぞっとする。
途中、生き返りのメダリストを投与した。
 
 
第5エイドも、到着したときにはすでにおにぎりとレモンのみ。おにぎりも瞬殺で、あとから来た人はまたも補給難民となっている。
 
次のエイドまでに何か買いたいね~~と話していると、PEKOさん(やっちゃばフェスなどで漫画を出している、エクストリームなライドとグルメの大御所。美味しいものをいつも食べているお方)御一行様と遭遇。
 
 
ただのファンなのだが、ありがたくご挨拶させていただく。
可愛いスカートのお方がPEKOさん。
 
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PEKOさんと一緒に走っておられたカルマおじさんさんの愛車は、お名前の通り
 
KUOTA KHARMA
 
しかも、私の愛車と同じ世代のもの。私より発売年は1年前だが、グレードも同じでそのまま色違い。ロゴはもちろん同じ書体!(2012年モデルから、KUOTAのロゴは変わってしまったのだ)
里親と再会したような……なんともいえないうれしい気持ちに。
かわいいかわいいKUOTA KHARMAを記念に撮らせていただいた。
 
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さて、この頃には前半慣れないアウターではしゃぎすぎたツケが回ってきたのか、右ふとももの裏に肉離れのような痛みを感じはじめた私。
 
これが人生初の肉離れ……?
弱虫ペダルの、1年目IHメンバーを決めるあの合宿の、ホームストレートの、涙なしでは語れない、T2のあの……!
 
ひとり感嘆しながら、鎮痛剤を飲み、エイドに無料設置してあるエアーサロンパスを噴射。
これも初めての体験だった。
 
走り出す頃には、なんとなく脚の痛みが引いている気がする。
 
平坦で乗ったトレインに、なぜか登りのたびにその集団をじぇんさんが抜いていき、またトレインを乗り換えて進んでいく。
 
そのままトレインに乗っていればいいものを……
 
と毒づきつつ、坂での加速はもはやデフォルトだった。
 
 
そして、快調に第6エイドに。
 
貯金もずいぶんあるし、ここのエイドは補給がたっぷりある。
しかも、郷土料理が盛りだくさんだった。
 
名物の海藻をいれた冷たい味噌汁、かにのほぐし身の炊き込みご飯「桜ごはん」、笹に餡入りのもちをくるんだ「たいごろう」、これが弁当食い逃しが70km近く地味~~に効いていた身体にしみわたる。
 
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3人「めっっちゃ、うまい……」
 
 
元気を回復して、笑顔で走り出す。
ちなみに、エイドで再会したかたやまさんが、すっかり食べてやる気に満ち溢れた私たちを撮ってくれた。
 
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元気に走り出すも、180kmに迫ろうかという地点での登り坂は、かなり脚にくる。
 
この210kmのコースのなかで一番長いと思われるヒルクライムゾーンをえっちらおっちら越え、蛇行する人々をよける人々で地獄の様相になりながらも
 
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ようやく最終エイドへ。
 
 
登りでの疲労感が強くなってきたことで、時間のロスを考えて早々に出る。せっかくなので、おにぎりをひとつ口に放り込んで、アミノ酸ゼリーと鎮痛剤を追加投与。
 
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脚の疲労と戦いながら淡々と最後の坂道を登っているときに、後ろで虫さんが立ち止まった。
 
 
虫さん「コンタクト落とした……」
クロ「えっ!!」
 
 
登り坂の頂上手前。後ろからどんどんと集団が追い抜いて行く。必死に地面を探してみるが、もうすでに誰かのタイヤが巻き込んでいってしまったのかもしれない。
 
「邪魔だよ!進路塞がないで!」
 
そう声をかけてくれたお兄さんに、謝罪と事情を手身近に伝えると、本気で心配して足を止めてくれた。
ここからゴールまでは、残り20kmほど。
 
虫さん「いや、大丈夫。走れる走れる!!ちょっとぼやけるだけ!!」
 
幸いにも、片目だけだというので、リタイアはせず走りきることに。
 
じぇんさんと私で虫さんを挟むかたちにして、ほとんど下り基調だからとゴールに向けて走り出した。
最後の坂で少し布陣が崩れただが、島民の方の
 
「最後の登りだぞ〜〜〜」
 
という励ましに、力をもらって一踏ん張り。
 
ゴール付近になり、市街地になると参加者で道も詰まりがちになり、ほぼ一列の長いトレインが形成された。
すぐ横を、速度の速い集団が、ビュンビュン追い抜いて行く。
 
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そして、ついに出走地点が目前に迫ってきた。
 
じぇんさん「どうせなら、3人で並んでゴールする?」
 
 
名案にうなずくと、3人で横並びになり、ゴールゲートをくぐる。
時間は、16:59。
長い長い島一周の旅が終わりを告げた。
 
 
 
 
 
でかしました!!!
 
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完走賞を手に、ふるまわれた味噌汁とおやきで乾杯。
塩気が身体に染みわたり、あんこが口の中を思いっきり幸福にする。
 
日が明るいためか、平坦だったらまだ走れるかもな~?というところでゴールしたために、やっと200kmという距離に対する耐性ができてきたことを知った。
 
最後に協賛ブースでもう一度お買いものを楽しみ、ホテルまでたらたらと自走。
 
 
 
念願の温泉と、
至れり尽くせりのホテルの夕食を堪能して、
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乾杯!!
 
 
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今日もお疲れ様でした!!(210km走破して体重プラス)
 
 
 

目を開けて見る夢、2016佐渡ロングライド210②

予定通り3:00起床。


用意されたお弁当をぼやぼやと食べ、出発の準備。
 
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朝は冷え込むため、ウインドブレーカーは欠かせない。
 
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ホテルから3kmほどを数名の参加者の方とともに走り、5:00頃にはスタート地点に到着した。
 
会場では、朝からスコットのスタッフさんが整備をしてくれる手厚さ。お言葉に甘えて、少しだけ空気を入れてもらう。トイレなどを済ませると、210kmコースの人から、5:30のスタートに合わせて少しずつスタート地点への案内が開始された。
 
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佐渡ロングライドは、210kmコースA1(6~7時間完走、自信のある人)、A2(8~9時間完走、普通に走る人)、A3(10~11時間完走、ゆっくり走る人)と三段階に分けている。
 
速い人からの追い抜き、事故を避けるため、スタートはA1→A2→A3の順に走るらしい。
210kmコースの人に合わせて設定された、ゴールのクローズ時間は18:00。
 
この出走時間が、冷静になってみるとかなりのクセモノなのだった。
 
 
長い列になって、自転車を押しながらぞろぞろとゲートに向かって進む。
 
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私たちは今回エイドを回る目的で「A3コース」を選択していたが、そのなかでも前の方に並んでいて、スタートは6:00をすぎていた。
 
???
 
 
まず、スタートの時点で残り12時間を切っている。
そもそもゆっくり走る人といったって、210kmで制限時間が11時間目安ってなんだ。
 
ブルベだって200kmで13時間半だぞと。しかもチェックポイント(PC)はあるけれど、エイドじゃないし時間はいくらでも短縮できる。
 
しかし、佐渡ロングライドはご当地おいしいものが出るエイドが7ヶ所もあって、その制限時間。でかい峠がないとはいえ、これはタイトかもしれない。
 
のちのちに参加実績を見てみると、それを見越してかはるかにA2コースの出走者が多かった。A1コースの人たちは本当にガチなので混ざると危ないとは思うが、制限時間をできるだけ長くほしい人は、A3ではなくA2を選択すべきだということだろう。
 
 
じぇんさん「う~ん、とりあえず20km地点の第1エイドは飛ばすか」
虫さん・クロ「了解」
じぇんさん「それで、いい感じのトレインがあったらできるだけ乗っていこう」
クロ「あと、今回は地図とかなくても道案内してもらえるから、先頭ローテできるよ」
 
 
そんな感じでようやく出走。
地図に死ぬほど弱い私は、方向音痴が極まりすぎて、知らない道では先頭を牽くことができない。しかし今回は!たくさんの誘導スタッフさんも配備されているため、その心配はないのだった。
そして、前を行く集団を追いかける。
 
30~35km/h
 
平坦、とゆるやかな起伏の連続。短い登りは下りの勢いで越えられるような道が多い。
とはいえ、普段巡航速度はたらたらしている私にとっては、飛ばし気味。
 
クロ「なにこれ!いつもより速い!210km走るペースじゃない!」
じぇんさん「あのトレインに乗りたい!」
虫さん「平坦楽しい~~~~」
 
 
景色を見る間もなく第1エイドについたため、トイレ休憩だけ…といいながらまんじゅうやドリンク、パンとジャムもついでに堪能する。
 
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早々に第2エイドを目指し、人の後ろを追いながらまたも爆走。最近アウター練をはじめた私は、すでに脚がお疲れモードに。
 
しかし、時間にだいぶ余裕があるため、新設のスイーツステーションへの期待が高まる。甘いもの甘いもの…と念じながら、第2エイドに飛び込んだ。
 
クロ「きなこもち~」
じぇんさん「大福~」
虫さん「めっちゃうまい」
 
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40km地点、いつも立ち上がりが遅い私にとっては景色の記憶がさっぱりない。次のエイドまではがんばる!と弱気なことを言いながら辿りついたが、スイーツがあればしんどさも忘れるというものだ。
 
次の第3エイドは、ウワサのZ坂(最大勾配11%)と大野亀坂(最大勾配10%)の2ヶ所のヒルクラポイントを超えた先にある。完走できないと困るから少しペース緩めようか~~と言いながら、走り出すとその気配はない。
 
ところどころ、島民の皆さんが、道路沿いに出てきて声援を送ってくれた。
選手にでもなったみたいで、ついつい笑顔で手を振り、お礼を言わずにはいられない。だが、アウター練と続く平坦基調に、少しずつテンションが下がってきた。
 
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虫さん「景色綺麗だね!平坦楽しいね!」
クロ「………」
 
 
こんなに速い段階から乳酸感じてていいのだろうか…という頃合いで、目の前には見るからにZを描いたZ坂が出現。撮影スポットらしく、私たちも立ち止まって写真を撮る。
 
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空も青く海も青い、山の緑もすでに色濃い。ようやく、佐渡の絶景に意識が向いた。
冬枯れの山を辛抱して登りつづけ、ようやく青々した初夏が訪れたのだ!
 
この色の濃い夏の緑色、私はたまらなく好きである。
 
そして、近づくにつれZ坂の長さと、Zどころではなくもう少し上まで続いていることに、ちょっと笑ってしまう。アウターなんぞ知るか、と早々にインナーにしたところで、ようやくスイッチが入った。
 
クロ「目が覚めた!」
 
虫さん「?!」
クロ「坂!上り坂楽しい!!」
じぇんさん「だよね~~、平坦だとねむくなっちゃってさ~~」
 
尚、今回の登りはペースのコントロールのため、虫さんを先頭にクロ、じぇんさんが続く……予定だった。
その布陣を登りのたびにちょこちょこ組み替えていたが、虫さんがもろもろの実験の効果が出始め、坂で爆走。それを追いかけ、追い抜き、ばらけ……また虫さんが先頭で飛ばし、という、完全に作戦が破たんしてのヒルクライムになった。
 
 
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虫さん「ここ撮影スポットだから、写真撮っていい?」
クロ「いいよ~、でもここ頂上じゃないからちょっと止まれない」
じぇんさん「それな~」
 
しかし、止まる価値のある絶景だ。
 
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見た目よりもゆる~いZ坂は、気持ちよく登ることができた。
 
大野亀坂もいい景色を眺めつつゆるゆる超えて、
 
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まもなく第3エイドに到着。笑顔で振舞ってもらえた、焼きおにぎりとドリンクを補給。
 
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ここから先はちまちま小山もあるものの、気持ちよく下って30km先の第4エイドを目指す。
 
その第4エイドがちょうど100kmあたり。昼食が出るらしい、弁当エイドステーションだ。
そのため、第3エイドでは食べ過ぎないように気をつけ、期待を胸に走り出す。時間にもかなり余裕がある。
 
その第4エイドで悲劇が起きようとは、誰も想像していなかった。
 
 
 
③につづく

目を開けて見る夢、2016佐渡ロングライド210①

5月14日、地元は25℃のいい天気。

 
私は、ここから最高気温が18℃という、随分と寒い場所を目指していた。
7時頃の電車に虫さんと乗り込むが、向こうへの到着は16時頃。
 
その目的地とは、
佐渡島!!!!
 
長い長い旅が始まろうとしていた。
 
 
私と虫さん、そしてじぇんさんは、国内屈指のサイクルイベント佐渡ロングライド210」210kmコースに参加するのだ。
これは、昨年の夏からの悲願でもあった。
 
今日も3人で長旅……と言いたいところだが、じぇんさんの姿がない。
それもそのはずで、じぇんさんは千葉県の袖ヶ浦で行われている、キャラクター×自転車のレース、GSRカップに出場しているのだ。
昼頃のレディースクリテをこなし、コスプレを脱ぎ捨て、アクアライン→新幹線→ジェットフォイルとまさかの佐渡TTをかまさなくてはならないのである。
 
新幹線は事前に割引チケットを押さえてあるうえ、船は最終の時間も決まっているし、そもそも佐渡の港から宿までは夜の15km……。
TTスペシャリストも真っ青な暴挙である。
 
同じGSRカップに出場する友人たちに、「じぇんさんをお願いね!!クリテが終わったらすぐに送り出してね!!!」とお願いし、私たちは一足先に佐渡へ。
事前受付のもろもろを済ませておこうというわけだ。
 
早朝の電車に乗りながら、TLでじぇんさんが予定時刻には目覚めなかったことを知り、青ざめる。
虫さんとふたり、彼女がまずGSRカップに間に合うように、神に祈ることにした。
 
 
さて、東京駅から新潟駅までは新幹線を利用する。
 
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自由席のため、ロードバイクの置き場を不安視していたが問題なく、ちょうど扉付近の荷物入れのスペースを借り、2台並べて止めておくことができた。
 
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同じ新幹線に、輪行袋を担いだローディーが、たくさん乗車する。
1時間半ほどで新潟駅に到着。そこからは、新潟港行きのバスを使って15分ほどだ。 
 
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輪行袋でぎっちぎちになるバス…。一般の乗客の皆さんが、とてもやさしく対応してくれる。
終点まで行く乗客の方に甘えさせてもらって、ほぼ通路をふさぐように車体をおかせてもらった。
 
新潟港には、すでに佐渡ロングライドのスタッフさんたちが多く配置されている。
二等のジュータン席なので、その場で乗船券も輪行用の手荷物券を買い、乗船の列に並んで少し長めの待機。
ラインには、GSRカップに出ている友人たちから、じぇんさんの到着報告が続いた。
 
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乗船ゲートを通る時に邪魔なので、輪行袋はゲート内で預かってもらえる。
この隙にお弁当などを買い、いざ乗船!!よく行く伊豆大島の大型フェリーとは比べものにならない豪華な船……。
輪行袋は、スタッフさんが非常にスムーズに預かってくれる。
 
 
 
3時間近くの船旅は、GSRカップのレースの模様をツイッターや動画で追いかけてひたすら応援タイム。
 
途中でじぇんさんと親交の深いかたやまさん(理論派のシャブを打つ、どこでも行ってしまう強いチャリ乗りの人)エンカウントし、先日行ってきたばかりだという「ふじあざみライン」の死の勾配グラフで盛り上がった。
 
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かたやまさん「箱根旧道に、銭洗弁天が5回出てくる感じで……」
虫さん「何この死の不整脈みたいなやつ」
クロ「うわあ」
かたやまさん「今、クロさん行きたいって顔してるね!!」
 
 
ふじあざみラインへのフラグが立ちつつあることは、言うまでもない。
 
 
 
楽しく話していると、あっという間に両津港へ到着!
 
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降りたそばから、「佐渡ロングライド210へ ようこそ!」みたいな垂れ幕やら、誘導してくれるスタッフさんやらで、島を上げての大歓迎。
思わず浮かれてしまう。
 
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船内は圏外だったが、無事にじぇんさんが新幹線に乗れたことを知る。
彼女が新幹線の乗り換えに9分しかなかったというのは、やはり……と言わざるを得ない。
 
予約制の大会専用シャトルバスに揺られ、スタートゴール会場へ!
輪行袋は、別途トラックが運んでくれる。
 
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受付を済ませ、学生さんの無料マッサージを受けたり、出展ブースでエイプリルフールネタのスコットに笑ったり、オンヨネで割引のウェアを買ったりして大満喫。
 
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自転車用品の割引販売は、こういうイベントの醍醐味だなあと思う。
 
一通り堪能したあとは、これまた大会を通じて押さえた
 
国際佐渡観光ホテル 八幡館
 
を目指す。
 
今夜はじぇんさんの到着の都合もあって、ホテルでの食事は頼まないでおいた。代わりに、スタートゴール会場近くのコンビニでごはんや飲み物を買い込んで、3.5kmほどの道を宿まで走る。
 
ホテルにはありがたいことに、専用の駐輪スペースが確保されていた。演芸場のようなひろーーーいところである。
 
一足先に源泉かけ流しの湯をいただき、着実にこちらへ近づきつつあるじぇんさんを待つ。
お風呂を上がって間もなく、無事に、彼女はホテルへと到着した。
 
虫さん・クロ「じぇんさん!!!!」
じぇんさん「港からの自走は諦めました」
 
思わず抱擁してしまうほどの喜び。この日は風が強く、部屋は暖房を入れていないと肌寒いほど。
じぇんさんが港からタクシーを使ってくれて良かった。
 
そのまま愛車を駐輪スペースに運び入れ、じぇんさんを送り出してくれた多くの人に無事の到着を報告。
 
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受付で朝食用の弁当を受け取り、夕食や風呂など一通りを済ませる。乾燥機はないが、宿では洗濯機をお借りできたため、有り難く利用した。
 
はしゃぎたくなる気持ちを抑え、
 
 
 
抑え……
 
 
 
抑えられずジロを見て
 
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美女にワクワクし
 
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それでも早めに就寝。明かりが消えてからが修学旅行状態だったため、寝付いたのは24時前くらいかもしれない。
明日はいよいよ本番。
 
起床アラームは、3時にセットした。
 
 

憧れは貧脚を癒すのか?絶景渋峠ライド②

さて、そろそろこのブログの「はじめに」を読んだ記憶が遠い昔のこととなっている方もいるとは思うのだが、そこに記載したように、このブログの写真のほとんどは虫さんの提供となっている。

 
この渋峠編の後編、私たちは登り始めて早々にばらけてしまったため、ほとんどの景色は虫さんから見たゆたそさんの記念写真でお届けしたい。
 
女4人でキャッキャと観光に行ったにも関わらず、じぇんさんと私はほぼ20kmソロライドになってしまった。
 
 
 
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淡々と、国道292号線を行く。草津からの登り始めは草木も多く、草津国際スキー場の横をつづら折りに登っていく。
 
この草木の丈がどんどん低くなって行くのだな……というときめきとともに進み、ひとまず天狗山レストハウスで待っていてくれたじぇんさんと合流。
虫さんとゆたそさんを待つ。
 
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じぇんさん「いや〜テンション上がっちゃってさ」
こうして、彼女はいつも登りで幻想の背中となってしまうのである。ほどなくして2人が到着し、再び走り出す。
 
 
 
が、どうやら、ものの数分で解散してしまったらしい。(証拠写真)
 
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殺生河原に満ちる硫黄臭のため、ゆでたまごを食べたい気持ちになりながら、ロープウェイの高さとともに渋峠を登っていく。
 
つづら折りの道は眼下に見え、少し離れて走ると、こんな感じで虫さんたちの姿が上から見渡せた。
 
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高原らしいルートに入り、感動のピークはこの辺りでやってくる。
動くロープウェイを横目に見ながら、
 
「こんな高さまで登ってくる自転車を、もし私があのロープウェイの中から見たら……きっと頭がおかしいと思っただろうなあ」
 
頭がおかしい、と思いながら、なんとなく熱いものがこみ上げてくる。
1年前の5月2日に初めてヤビツ峠を登り、死にそうになっていた人間が、わずか1年で国道最高地点を目指している。
よく頑張ったなあ、KUOTA……とボロボロになりつつある愛車のハンドルを叩いた。
 
ちなみに、1年前の初ヤビツライドは、じぇんさんとの初ライドでもあった。これまで街乗りウェアとスカートに身を包んでいた私は、上下ショップのウェアでやってきたじぇんさんが最高にクールに見えたのだ。
 
これまで最長80kmしか走ったことがなかったにも関わらず、なぜか江ノ島発で東名高速沿いのクソ起伏を越え、ヤビツ峠を死ぬ気で登り、腹ペコのまま鬼みたいな起伏の国道を引き回されて、ブルベの方御用達のハンバーグを食べて、初めて110kmを走破した思い出深い日なのである。
 
今振り返っても、頭のおかしさは計り知れない。
 
その日を境に、坂……坂……とうわ言のように繰り返すようになり、2日後に虫さんをつれてまたヤビツ峠にいった。
 
まったくもって人生わからんものだなと思いつつ、向かい風に歯を食いしばりながら、どんどんと道を進んでいく。
 
 
 
途中で野生のカモシカに出会ったり…
 
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空の青さに飛び上がったり……
 
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坂に対する怒りの第2段階を迎え、無言になりつつあるゆたそさんではあったが、絶景の前では最高の被写体になる。  
 
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多分同じ景色を見ながら、私もすごい、寒い、高い、脚が痛い、とか思っていたのだろう。
なお、絶景ポイントのカーブは、大体10%ほどの勾配だった。
登ってきた道は、果てしない。
 
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噂の雪壁もあったようだが、あまりの低さに私とじぇんさんはスルーしてしまった。これは、来シーズンのお楽しみということにしておこう。
 
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私とじぇんさんの名誉のために言っておくと、山頂まで残り3分の1を切ろうかという見晴らしのいい駐車場で、しばらく後続のふたりを待っていたのだ。
 
だが、あまりにも寒く、身体がガチガチに。
わざわざつれてきた弱虫ペダルのマスコットとともに写真など撮ってみるも、とにかくじっとしていられないほどなので、山頂で合流すればいいか……と登坂を再開した。
 
美しいものの景色もほぼ同じのため、脚の疲労が勝ってくる。
景色がよくても乳酸は流れねーぞとさすがに半ギレになってきた。
 
 
ついには、尾根の開けたところで反対車線に風で飛ばされてしまい、腹の底から絶叫。
これには、見える範囲にいたじぇんさんも、さすがに振り向いてくれた。
 
谷底に吹き飛ばされそうになりながら、私は自分が高所恐怖症であることを思い出す。
 
 
なんていうか、
こわい。
 
死を覚悟しながら進んでいくと、ようやく国道最高地点に到達!観光客であふれているなか、やさしいローディーさんに写真を撮ってもらう。
 
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ここでも寒すぎるため、感動もほどほどに、ついに虫さんたちへラインを送った。
 
「今国道最高地点です。寒すぎるので渋峠ホテルで待ってます」
 
ここからは、渋峠ホテルまでは下り基調の700mだ。
ホテルのロビーで暖をとりながら、4人揃ったらパンを食べようね……とひもじい子供のようにじぇんさんと身を寄せ合う。売り切れると嫌だから、とじぇんさんの手元にはすでに確保したパンがひとつ。
 
 
 
虫さん・ゆたそさん「ついた!!!!!」
 
 
15時すぎ、ついに4人合流。あまりの寒さにガタガタ震えながら、ホテルのカフェでパンを食べ、ホットミルクやコーヒーで各々体温を上げる。
 
国道最高地点の到達証明書を受け取り、ようやく達成感が湧いてきた。
 
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これが噂の渋峠ホテルと、かわいいインディーくんとマーカスくん。時間も時間のためか、お疲れのご様子。
 

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下りに備えて着替えや装備を済ませ、16:00頃ホテルを出る。
 
もちろん、国道最高地点まで背負ってきた「アレ」での、記念撮影は欠かせない。
 
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17:50発の電車に乗るために、せめて17:30までには駅に着きたい。加えて、高原道路のゲートの閉門時間まで1時間を切っている。
 
まさかの渋峠下りTT!!!登りが2ヶ所だけあるが、じぇんさんが威勢よくぶっちぎっていくくらいのもので、特別大変なものではない。
 
あんなに登るのに時間がかかったのに、見通しが良く斜度もきつすぎない下りのためか、一瞬で駅に着いた。
 
記念写真を撮る余裕もあって、この通り!!!
 
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帰りも4時間ほどかけて、酒を飲みながらあーでもないこーでもないと、やはり修学旅行気分を味わう私たち。
 
クロ「絶景で物理の疲れがとれるのは……ジョークだったのか……」
 
そっとツイッターの画面を閉じる。
 
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今日もお疲れ様でした!!(クソ脚に精神論は効かない)