ブルベシーズン下半期、数年前から噂に聞き、出てたみいブルベがあった。
それが、宇都宮まで平坦で行き、餃子を食べて帰ってくる300km。
BRM914西東京300宇都宮だ。
実際のところ、そういう噂で参加をしてみたら、何だかそういうものではない、ドラマティック???なブルベだったのだが。虫さんと二人、ワクワクの挑戦だ。
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AJ西東京さんのスタート地点は、数少ない自走の範囲内だ。久しぶりのブルベ参加に、妙に緊張してしまう。
21:00のナイトスタートだ。今回は4年ぶりの西東京さん参加とあって、知り合いはほとんどいない。
今回は、伊豆大島へ愛をこめてそれぞれ色違いの大島ジャージで参加をした。
走り出す前からすでに目玉を剥いている。とはいえ、日中にがっつり睡眠をとったので、体力自体は十分なはずだ。
そんなわけで、いざスタート。
よく知っている道を通るので、襲いくる尾根幹にえずきたい気持ち。
最初は少し起伏があり、そして平坦が続く。
少しずつ埼玉に向かっているのがわかる。
風もなく、気温は想像より高い。最初は50kmほどだが、興津600以来のブルベ参戦とあって、なかなか身体がブルベモードにならない。
PC1のファミリーマートへイン。1時間ちょっとの貯金があったが、このときが一番疲労感を覚えていたかもしれない。
この日はどうにも食欲がなく、死んだ気持ちで味噌汁におにぎりを入れていたら、まさかのばんばんさん登場!
驚きすぎて、このとき撮られた写真ではすごい顔をしていた。カメラを向ける前にぜひ声をかけてほしい。目玉が落ちてしまう。
ここで、このコース主催のHさんとも遭遇。お帰りついでにPCへ寄ってくださったらしい。時間はないが、ほっとするひとときだった。
さあ、元気をもらったところでリスタート!!
ここからはまごうことなき平坦のようなので、眠気に気をつけつつ進む。最初は住宅街、車通りの多いところを避けてなのか、やや細かくキューがある。
そこそこ景色は変わっているのだが、夜のせいで何となくエターナル感があった。
標識が思い出せないが、大きな橋を渡ろうというところなのだろう。
ついに、看板に宇都宮の文字が現れた。実は、9/15には日光市で「ツール・ド・日光」が開催される。そこに、きいさんや紗芋さんが出るらしく、そちらへ前入りしているはずのふたりに想いを馳せた。
まずは、宇都宮までたどり着く! これは、強いモチベーションになったのである。
PC2のローソンへイン、1時間半ほどの貯金に増えていた。固形物が行動食意外食べたくならないので、ウイダーインゼリーとプリンを食べる。これがまた、このジャージー牛乳プリンが抜群にうまい! 大当たりだった。
そしてこの、夜明けまでの区間。いよいよぼんやり眠気が出てくる。
虫さんは消化に血液をとられ、かなり眠気が出ている様子。前に出てみても、いまひとつスッキリしない……。
クロ「メガシャキガム買ってみる?」
虫さん「それだ!!」
そして、ガム探しのコンビニ休憩。結局メガシャキガムはなかったうえ、なぜかキシリトールガムを買ってくる虫さん。だが、軽いトイレ休憩と一瞬の寝落ちでここからはすっかり元気に。
虫さん「ここからは元気を出すために刀ミュ曲かけま~~す!!刀剣ぽいポーズして!」
クロ「………」
虫さん「それは牙突」
ちなみにこの写真はtake3なのである。ともかく、元気が出た。
何となく、空が白んできた。宇都宮のPCまであと少し。
ざつくり2時間貯金だ、PC3のセブンイレブンに到着した。
きいさん、紗芋さんのツール・ド・日光への激励に魂を飛ばしつつ……お腹が減ってないので、ウィダーをすすって、ボディシートで身体を拭いて出発。
実は身体がベタベタするくらい、暑いのだ。
夜が明けてきたから、もう気持ちは元気だ。お腹が空いてきたらどこかで朝ごはんを食べるつもりで走り出す。
しかし、6時半以前に宇都宮についたって、餃子が食べられる店なんて、あるわけがないのであった!!!
昨日の十五夜のため、この日も月が丸い。
橋の小さな起伏、実はこの辺りではすでに足の裏に違和感があった。
これは栃木県にある、子ども総合科学館のロケットだ。
金色の田んぼに朝日が差してくる。ブルベは何度でも夜明けに出会える、美しい。
いい景色だが、日が出てきたらいっそう暑そうだ。
壬生の本丸??新選組刀推しの審神者が住まう場所か?! とか言っていた地名。
ようやく空腹を感じはじめたので、イートインのあるローソンで朝ごはん。朝の6:30だが、きゅうりの丸かじりが最高だ。
あとは無事に消化さえしてくれればいいのだが……。食後が今日一番眠い。
眠気を感じはじめたので、取り留めのないオタクトークで盛り上がる。が、市街を走っている歩道を行く犬にめちゃくちゃ吠えられ、驚きすぎて眠気が吹っ飛んだ。
クロ「?!!!めっちゃ吠えられた」
虫さん「あれは逆カプの過激派」
クロ「過激派か……なら仕方ない」
広めに用意された自転車道! ありがたいのだが、自転車マークがエンボス加工されていてめちゃくちゃ走りにくい。
単線の電車を横目に走る。とにかく、日差しが強かった。
そして辿り着いた渡良瀬遊水地。
見事な景色。夜が明けてからは、景色はドラマチックに変わり、平坦といえど見えるものひとつひとつにメリハリを感じる。
気持ちよく土手を走る。最初はここが正規コースなのかとあせったが、他のブルベでも利用する道らしい。
気球を間近で見ることができた。
飛んでいるもの、降りてきているもの、この日だけで3つほどの気球を目撃。
白い鳥が一斉に飛ぶ、きれいな空だ。
PC4のセブンイレブンに到着、貯金はふたたび2時間に戻った。眠気もないし、頑張りすぎている感じもない、ふたりで一定のペースで楽しく走れていることが嬉しかった。
平坦様々……。カフェイン抜きをしていたが、貯金が安定しているので珍しくブルベ中に解禁。トイレに行きたくなっても大丈夫だ。
めっちゃくちゃアイスコーヒーがおいしくて、このタピオカ大福も好みの味だった。
タピオカ大福の美味しさについて語りながら、言ってはいけない「たとえ話」に笑いが止まらない。
ついにおなじみの荒川エリアまで戻ってきた。
川幅日本一とあって、本当に長い。もうどれを川というのかわからないほどだ。
数少ない、私が撮った虫さんの写真。単線だ!と思いきや「浅草行き」の文字なので、遠くに来た感がない。
暑すぎるのでセブンでひと休憩。大体、PC間が50km前後なので、その半分くらいのところで休むようにしている。
実はこちらの「セブンイレブン吉久保田店」さん、店主の方が元競輪選手らしく、私たちに大変よくしてくれた。
めちゃくちゃ激励してくださったので、こちらのコンビニにたくさんの自転車乗りの方が立ち寄ってくれたらうれしい。PCになったらもっと嬉しいが、それはまた高度な話なので……。
風向きが微妙になってきた。追い風だと連絡をくれたのは誰だったか……。
この辺りが、膝の痛みにキーキー言い出した、小さな起伏。ひざの裏に何かがあるような腫れぼったさと痛みを感じる。感じたことのない痛みだ。
たまがわブルベで何度か通った高麗神社、巾着田が近いためか確かに観光客のような雰囲気の人が多い。
かなりの暑さにぐったりしながら、PC5に到着。ここで貯金は2時間ほど、ただここから先は上りが集中していることもあり、この貯金を使いながら進むのだ。
このPCでは多くの人が暑さにやられているように見えた。凍ったペットボトルを置いていなかったのがつらい。膝が死んでいるので、いざというときのために持ってきたシップを貼って、BCAAも飲んで、ラストに賭ける。
帰り道は、ずいぶんおなじみのたまがわの岐路だ。バイパスも通ったし、憎い憎い八高線の登りも組み込まれている……。
クロ「たまがわやん……」
虫さん「もう実質秋定峰完走でよくない??」
おなじみ青梅日立のセブンへ向かう前の、道がクソ悪い茶畑にて。虚無。
ほら、たまがわさんおなじみ最終PCだ! 暑さでうだったところに、知ってる上りと知ってる道とで、うっかりダルダルな気持ちに……。
小山を越えちゃあ下っての繰り返し。膝の痛みは先ほどのPC直前よりはマシだ。
もしかすると過去に通ったかもしれない?エモーショナルな道(上り)
道の感じはとてもいいし、景色もロマンティックなのだが、とにかく膝の裏が初めてレベルの痛み。
クロ「キャァァァーーーッ!!!」
虫さん「もぐコロちゃんのような悲鳴」
たまがわようちえん……。
サマーランドを示す看板が出てきた、このあとも無論上るのだ。
ついに勝手知ったる八王子市にイン。
斜度がグッと上がるこの上り、自分のインナーローでも踏むのがきつく、走行に遅れをとる。
下りきったところのファミリーマートで最終休憩。残りは25kmほどだ。ここでもやっぱり日差しが強く、食べたいけれど胃の調子は今一つ。
練習コースでかつては知った坂ばかりで虚無……となりつつも、大きな上りはもう打ち倒したはず。
ゴールまで、20kmを切った。
ここはスタート地点の根岸からさわ公園だ。18時間以上ぶりに戻ってきたが、明るくなってしまうとほとんど景色がよくわからない。
ゴール地点のケルビムまでもう間もなく! せっかくなので走行中の虫さんを撮る。
柳沢峠200以来の、西東京さんのゴールだ。
そんなこんなで、無事に2人きりで、ケルビムさんに時間内ゴール!! さすがに2時間の貯金に戻すことはできなかったが、元気に帰ってくることができた。
◆
これまで私たちは恵まれた環境で走らせてもらっていて、道の上で会う人にご一緒してもらったり、最初から一緒に走ろう! と話をしたり、走行面でたくさん学ばせてもらうことがあった。
今回は、偶然どなたかに出会うということもなく、最初から最後まで二人旅だったが、きちんと計画して貯金を残して、無事に走りきることができてよかった。
トラブルもなく、楽しい旅だった。あと、西東京さんは相変わらずとてもアットホームで、最後の最後までゴール地点に居座ってしまった……。どうもありがとうございました!
今日もお疲れ様でした!(Dさんのノンアル乾杯にご相伴)