寒さは人を狂わせる……。
午前3時半、セブンイレブン。
寒気団がやってきているらしい1月13日、参加するのは
BRM113神奈川300鎌倉
だ。逗子200とほぼコースが被っている、AJ神奈川さんおなじみのコースである。
ひょんなことからしむらさんが一緒に走ってくれることになったので、ピックアップしてくれるというお言葉に甘えて、お車待ち。
本日のメンツは、しむらさん、虫さん、クロ。
6時スタートのこのブルベは、昨年は前泊して出た、ちょっと色々大変だった思い出のコースなのだ。
◆
しむらさん「もうやめよう……」
集合場所にほど近い鎌倉の駐車場で、しむらさんが信じられないくらいしおれている。
車から降りるので根性がめちゃくちゃいるほどの寒さだった。
それでも何とか身支度を整え、防寒につかえるmont-bellのすごくいい感じのパンツをお借りし、いざ受付へ。
寒さに震えながらもなんとか参加の手筈を整え、押し歩きでスタート地点へ向かう。
初春の看板と相まって、なんとも哀愁のある背中だった。(この1枚はkuro scottoさんから)
・スタート~PC1
本当に甘えに甘えて、今回のブルベはとにもかくにもしむらさんのエスコート。
私にとっては1週間ぶりの道を、効率よく進んでいく。
寒いとはいえ、雨も降っていないし、夜が明ければいくらかマシである。
さくっとPC1にイン。小田原と真鶴の間のいつものローソンだ。
また手巻き寿司かなにかを食べた気がする。このところ、ブルベは酢飯がアツい。
・PC1~PC2
途中トイレ休憩なども入れながら、淡々と進んでいく。
途中、ものすごくせっかちな河津桜が咲いていた。
虫さん「しむらさん、いちご大福食べたいですか!!」
しむらさん「食べたい!!!」
せっかくなので、今回も間瀬さんに立ち寄り、いちご大福をいただくことに!
どうやら、間瀬さんは本当にブルベに合わせてたくさんいちご大福を用意してくれているらしい。しむらさんと、逗子200ぶりのベガさんも頬張る!
間瀬さんは、「今月、またこういったイベントってありますか?」とわざわざ聞いてきてくれた。
年末に、つくってほしい日付と立ち寄りの多さをお伝えした甲斐があった……とてもうれしい。
少し進んで、いつもとは違う迂回ルートへ向かう。
伊東~川奈の区間のマラソンの通行規制(10:00~12:00)が被ったからなのだが、マヤさんいわく「そんなに変わらないわよ」という道なのだそう。
いつもの川奈のクソ坂がないので安心していたが、聞くところによればもっと登るらしく……?
??
登る!
結構長い!
川奈の坂の方が短くてよかった気がする。
それでも何とか通り抜け、いつものライオンズマンションの前を下りながら、富戸へと向かうアップダウン。
先週の折り返し地点のスーパーうわみつじを横目で見つつ、歯噛みしながら通り過ぎ、伊豆高原まで。
PC2までの登りは、たらたら、ちょっと長いものが織り交ぜられている。
ひとまず、貯金は1時間10分ほどで、PC2着!
お昼休憩となった。今はまだ日が出ているが、伊豆高原のローソンは寒い。
・PC2~PC3
さて、ここからはアップダウン、魅惑????の東伊豆である。折り返しまで50km、わりと心を折りにくるしつこい道のりだ。
天気はいい。日差しもあたたかい。
が、日陰のちょっとした下りはすぐに冷えを感じ……あったかいさむいをくり返す。
下りはしむらさん虫さんにピューンと離され、めちゃくちゃペダルを回し、登りで再びペースを合わせ、となかなか下りはうまくいかない。
ほんの一瞬、先頭を交代してみたり。
とかなんとかやっているうちに、短い平坦エリア、河津。昨年の河津桜の渋滞は地獄だった。
が、それでも、昨年よりは健全な気持ちで走ることができた。昨年より荷物を持っている気がするが、その重さはちっとも苦にならない。
確か70km以上先行しておられた気がするので、ジーパン戦士のにゃんこさんとスライドしたのはこの辺りだった気がする。
虫さん「飛び降りたら楽になれる……」
クロ「トイレ行きたい」
虫さん「おう」
クロ「このへんに何とかウィングってのがあった気がするんだよね……ウィング……」
あった、尾ヶ崎ウィングだ!
クロ「ウィングウィングウィング!」
しむらさん「(笑)」
おそらく50kmの行程の中で一番標高が高いと思われるこの尾ヶ崎ウィングは、トイレと自販機の設けられた小さな展望スペースのような場所で、気持ちの切り替えに一役買ってくれる。
そうして下っていけば、再びの平坦エリア、下田。いい感じの観光地なのに、横目で見る程度で終わってしまう。
そして、折り返しまでの10km……この地味な登り基調がこれまたきつい。斜度の問題ではなく、うだうだダラダラ、信号や車もそこそこのこの区間は、時間が削られる苦痛を感じた。
虫さん「菜の花咲いてないね~」
クロ「花咲いてないとただの草だね」
そんなわけで、残念な菜の花畑を過ぎ、貯金据え置きでPC3のファミリーマートにイン。150km、ついに折り返しだ。
帰りの方がやや下り基調になるということで、このPCでがっつり休憩。なんと50分近くも待ってくれていたというとりさんが、我々の最後尾について帰ってくれることになった。
こちらが、とりさんのくれたおいしいお土産!すぐさま私の走行エネルギーにしてしまった……。
・PC3~PC4
同じ道のりだというのに、復路の方がずいぶんと楽だ。使った貯金も走るほどにちゃんと増えていく。
時折とりさんの楽しいグルメ情報に耳を傾けながら、ゆったりと暮れていく道を登り返し、進んだ。登れば暑く、下ればびっくりするほど寒い。
途中、いくつか現れる温泉施設の誘惑に、しむらさんと虫さんが負けそうに(?)なっている。
貯金は1時間10分、止まるも苦痛な寒さのPC4、ふたたびの伊豆高原ローソンへと戻ってきた。
寒すぎるので、イートインに避難。とにかく今日は酢飯が食べたいので、シーチキン?の手巻き寿司をささっといただく。
寒さのあまり、しむらさんはラーメンをしおしおとすすっていた。
こちらはたびたび肉まんのとりさん。
・PC4~PC5
ここからは真っ暗闇の富戸の長い長い登り。
昨年は川奈でイノシシの軍団と出会ったことを思い出しつつ、順調に進む。
網代、伊東、熱海と進んでいくと、明るく栄えた街並みが、着実に返ってきていることを知らせてくれた。
このあたりでピンクロさん&ベガさんに出会い、同じ一団で走ってもらえることになった。
お馴染みの登り返したちに悪態をつきつつも、貯金を回収しつつ、最後のPCへ。
真鶴のPC5、セブンイレブン。イートインもなく、比較的小さめのコンビニだが、それでも先のPCから47kmで休憩できるのはありがたい。
(これはとりさんからの一枚)
しむらさん「なんか調子でてきた!!」
ここまできて、どんどんテンションの上がりはじめるしむらさん。朝のしおれ具合が嘘のようだ。もしかしたら、先ほどお腹に仕込んだカイロが効いたのかもしれない。
・PC5~ゴール
ここまで時間内にこれてしまえば、あとはよく知る小田原~逗子区間なので、ほぼ間に合うといえるだろう。
パンクさえなければ大丈夫。
ついに戻ってきた、早川口!
大磯でちらっとコンビニに寄る。ベガさんとピンクロさんも一緒で夜道が楽しい。
あれやこれやと雑談したり、でかい車におびやかされたりしながら、夜の134号を走り抜ける。
強風警報が出ている街、気温は2℃らしい。正直、夜明け頃の-2℃よりも、今のほうが寒く感じる。
最後の最後の、つらい逗子の10kmを乗り越えて……今年もゴール!
ゴール地点のマクドナルドにはもちろん誰もいないので、夜間ゴールの魚民へと向かう。
H田さんが、深夜1時の帰還を認定してくだって、ヨロヨロと座敷へ。
こんな深夜にも関わらず、じぇんさんが笑顔で迎えてくれた。
マヤさん「おかえりなさい!魚民が3時までに出なくちゃいけないことになったのよ!」
エッ……
となりのマックも開かない時間に……?
何はともあれ、ゴール受付を済ませる。じぇんさんが我々の出迎えに来てくれたのは、ゴールから数時間後の14日明朝に、ある目的があるからなのだ。
昨年の同ブルベの記事を読んでいる方なら察しがつくかもしれない。例のアレを、今年も堪能しようというのだ……今回は、しむらさんまで巻き込んで。