9月23日、朝はあいにくの雨。
早い時間の駅のホームは、ストームクルーザーを着ていてもかなり冷え込むほど。
今日、虫さんと2人で参加するのは、久しぶりの神奈川ブルベ。
BRM923神奈川200箱根
昨年3人で参加して、結構ひどいめにあった思い出の箱根200である。
交通量と凝縮した上りでぐったりした箱根200だが、今回は該当の区間が変更され、「やまゆりライン」なるものが新たに加わったという。
はたして難易度はどうなるのか……?
雨風の止まない大船駅へと向かった。
◆
雨が降りそそぐ受付で、主催のHとみさんや会長Tなかさん、お知り合いの方々にご挨拶。
Tなかさんが早速「ホモケイデンス」と絡んでこようとするのを、朝っぱらからつっぱねる。
雨が嫌だ坂が嫌だとやいやい言っていると、Hとみさんから「追い風だから早くついちゃうかも」というありがたいお言葉が。
この言葉が、のちに波乱となったりもする。
Rんぱぱさん「俺が走らねーんだから雨がやむわけないだろ!」
不敵に笑うRんぱぱさんに、虫さんが「幼女……」とつぶやくのも、この悪天候では仕方がないことだろう。
・スタート〜PC1
そして、7:15のウェーブでスタート。
昨年よりもモノレール沿いの起伏に辛さは感じず、本当にあっさりと江の島へ出た。
クロ「あれ?起伏もう終わり?」
虫さん「前よりに楽になったのかな~」
ウキウキと慣れた134号線に出た途端。
ゴオオオオ!!!
ひどい向かい風だった。
虫さん&クロ「Hとみさんんんんんん!!!!!!!!!!」
おっとりしていてやさしく、可愛らしいHとみさんに文句は言えないが、名前を呼ばずにはいられない。
ちょうど同じくらいで進んでくれていたMつぱぱさんがササッと前に出て牽いてくれたのだが、少し離れると風の抵抗がひどくついていくことができない。
立ち上がりが遅い&朝が早いと食事がほとんどとれないタイプなので、ここに向かい風となると、ペースがさっぱりだった。
Mつぱぱさんとつかず離れず、それでも慣れた道を行く。
小田原辺りで風が弱まり、無事に雨も上がった。
上下着込んでいたストームクルーザーを脱いで、小田原以降のアップダウンに備える。
昨年よりはゆったりペースだったと思うが、十分に貯金を作ってPC1のミニストップへと到着。出発の時点でも1時間15分くらいはあったはずだ。
・PC1~長尾峠フォトチェック
さて、ここからは大観山。
18kmほどの長い登りの区間だ。
日差しが出てきて、市街の区間は結構暑い。とにかくゆったりと進むが、セミも鳴き、秋とは思えないほど。
大観山のなかに入ってしまえば、木陰も出てきて斜度もゆるみ、比較的進みやすくなる。
Rんぱぱさん「お前ら!ちゃんと登ってるじゃねーか!」
Tなかさん、Hとみさん、Rんぱぱさんのスタッフカーが軽快に横を通り過ぎていった。Rんぱぱさんはばっちりカメラを構えている。
こういうとき、とてもやる気が出てくるので、相当な手間ながらもスタッフさんの巡回は本当にありがたいものだ。
途中でMつぱぱさんとお話ししつつ、ゆったりながらも順調に進んでいく。
クロ「あっ」
後輪がコケで滑り、だいぶゆっくりとすっ転んだ。
痛くはないが、変えたてのクリートのせいでペダルが外れずもだもだする。
後ろからきたお兄さん、Iぢちさんに助けてもらい、再出発。
この看板が見えてからが、微妙に長い気がする。
虫さん「ねえ、重くて進まない……なんでこんなキツいの……パンクしてるんじゃないの……」
Iぢちさん「あ、後輪空気抜けてる」
虫さん「あああああスローパンク!!!!!」
上りでつらい原因が自分だけのせいではなく、マジのパンクだったことが判明し、虫さん歓喜の修理タイム。
タイヤに小さな穴があいたらしく、チューブがわずかに裂けたようだった。
もたもたチューブ交換をし、使い慣れない携帯ポンプで空気を入れ……最後の最後は見かねたIぢちさんに手を貸してもらい、何とか完了。
15分~20分程度は経過していただろうか。
そして、ようやく頂上。
MAZDAスカイラウンジの前では、スタッフカーで通り過ぎた御三方が待ち受けてくれていた。
うれしそうな私と、煽られてノリノリな虫さん(Rんぱぱさん撮影)
尽きかけたドリンクだけを補給して、早々に下りに入る。
気持ちのいい下りだが、芦ノ湖まではほんの6kmほど。
すぐに、箱根旧道でおなじみの辺りを畑宿入口まで登り返し、そこから仙石原まで登り多めのアップダウン。
このあたり、気温も高く、車そこそこ多い。人の多い箱根の観光地を通り抜けるのもあり、あまり楽しくはない区間だ。
ペースも上がらないのでお腹も減り、カロリーメイトを少しずつ食べる。
しばらく上り基調が続いてから、ようやく絶景の仙石原を駆け抜ける気持ちのいい道に至る。
今年も見事なススキ原が見えるが、それもほんの束の間。
大型バスにかなり悩まされながら、渋滞する車とともにじりじり進むしかない。
大好きなラリックの美術館を過ぎ、えいやっとストレート気味の上りを越えて、ようやく長尾峠へ。
3km程度のゆるく気持ちのいいヒルクラスポットだ。
斜度がゆるむため、雑談にも花が咲き、虫さんと2人で盛り上がる。
クロ「このコースみたいな順で真波が手嶋を連れまわし、どーのこーのでお泊まりでアレソレで……」
虫さん「やばいめっちゃ乳酸流れる~~~」
山の奥深く、えっちな話で盛り上がっていると、うしろからコンビニ休憩を済ませてきたらしいIぢちさんの姿が。
思わず口をつぐむ我々。
虫さん「ちょっといまえっちな話してたんで、ちゃんと黙ったんですよ~~~!!」
Iぢちさん「…………」
こうして、シュッと追い抜いていくIぢちさんは難を逃れたのだった。
ゆるゆる楽しく長尾峠の頂上まで辿りつき、フォトチェック。
ここからは、通過チェックまで16kmほどの下り。
長尾峠から御殿場にいたる道は、路面が悪く、つづら折りのため、対向車が見えにくい。
速度はあまり出さず、とにかく気をつけて進んでいく。
御殿場までくれば交通量が増え、やや走りにくくなるが、それもほんの数キロ。
大観山で減らした貯金をしっかり増やして、通過チェックのセブンイレブンへと辿り着いた。
おでんを買ってみるも、すべてひとくちずつ口にして、お腹いっぱい。なかなかしっかり固形物を食べる胃にならないのが、相変わらずの悩みである。
とはいえ、噂によればここから35km程度のPC2までは、ボーナスタイムの下り基調。
最後に残された強敵やまゆりラインのために、何としても貯金を作っておきたいところだ。
次のPCでしっかり食べればよいだろうと、さらっと休んで走行を再開した。
多少の起伏はあるけれど、嘘なしの下り基調が次PCまで続く。
虫さん、Mつぱぱさん、Iぢちさんとほぼ一緒の塊になって、気持ちよく走ることができた。
途中おみこしとすれ違い、町の人から激励を受ける。
そして、PC2のセブンイレブンへとイン。納豆巻きと鉄分入りヨーグルトジュース、やまゆりラインに備えてBCAAを補給した。
Tなかさん、Hとみさんに出走前から「何で入れたのか」と噂を聞いていたやまゆりラインへの恐れが半端ない。再スタートの時点で貯金は1時間半くらい。
・PC2~フォトチェック
走り出してすぐ、広域農道やまゆりラインへの左折の看板が現れる。
まっすぐ行けばこの道を避けても大船に帰りつけるはずだというのに、泣く泣く距離を稼がねばならない。
虫さん「いやだよ……帰りたいよお……」
クロ「大丈夫大丈夫、帰ってるから」
虫さん「向こうからも帰れたじゃん!!!」
やまゆりライン、入ってすぐの上りが一番長く、心を折ってくる。アップダウンのイメージが強い広域農道だが、最初の上りがあまりに長いので、感覚的にはまたもや峠越え、という感じ。
虫さんが泣き言を言うのもわかる。しかも、このとき胃が痛かったらしく、ほぼすすり泣きだ。
クロ「あ、見えるところで終わりだよ、下りだよ」
Iぢちさん「いや、あれはまやかしだから」
虫さん「心折れる……むり……」
Iぢちさん「あえて率先して心折っていかないと」
実際この言葉の通り、下ったかと思えばすぐ上り、見た目にもガツーンとくるような10%をゆうに超えた斜度が待ち受けていたりする。
虫さん「下りだ下り!!ヒャッホォオオオ」
(アウター、そしてトップギアへガチャガチャガチャ)
虫さん「あああああああ上り!!!アウターにした私がばかだった!!!!!」
(インナーローへ速攻でガチャガチャガチャ)
このときの虫さんは、今日イチで面白かった。
そんな七転八倒を繰り返し、ようやくフォトコントロールその2の「あしがら乳業」へと到着した。
おそれていたよりは、やまゆりラインは時間を削らずに攻略することができた。明るいうちにやまゆりラインを抜けられたことに感謝し、ひたすらゴールを目指す。
・フォトチェック2〜ゴール
最後のがっつり上りともいえる、レイクウッドカントリークラブ(七国峠)にも、今年もしっかりと恨み言を言い、走り抜けた。
時間内のゴールは確実となったので、日が暮れた街並(たまにアップダウン)を、信号峠に悩まされながらも、しっかり進んでいく。
途中で魚肉ソーセージを貪る。
ラスト10kmでドリンクが切れたので、自販機で小休止。
虫さん&Mつぱぱさん「りんごジュースが飲みたかったのにお茶が出てきた……!」
そんなこんなでやいやいやっていると、しばらく信号で離れてしまったIぢちさんが、またひょこっと現れる。
最後の最後まで4人で走らせてもらい、ラスト1kmの複雑な交差点で、何度かエンカした男女2人組の方も一緒になった。
地味に細道で走りにくい住宅地を抜けて、ついにゴール。
スタートした、大船駅すぐのローソンへと辿り着いた。ゴールには、仕事で一緒に走ることのできなかったじぇんさんが待ってくれていた。一緒に受付業務をしていたらしい。
じぇんさん「落車したんだって?大丈夫?!」
すでに忘れかけていたが、大観山での落車が程度がわからずに伝わり、じぇんさんとつくば200ぶりのA木さんに心配をかけてしまったようだった。
レッグカバーに穴があいただけであることを伝え、無事にゴール受付。
最後の最後までワイワイさせてもらい、楽しいブルベとなった。
やさしく見守るRんぱぱさん。
受付の撤収を見届けて、3人でファーストキッチンにより、主にポテトを貪る。
個人的には、車が多く、PCまでの余裕がなかった昨年のすばしり経由箱根200より、今年の方が恐怖なく走ることができてよかった。
今日もお疲れ様でした!(akiさんとむけないソーセージ)