ブログをはじめたきっかけのひとつに、「ブルベに参加してみたら七転八倒した」というものがあった。
ほんの一年前の話だが、ブルベに興味を持ってくれる女性、ブルベについてどんなものか正しく知っている女性というのは、今より少なかったように思う。
ブルベ=長距離ライドではない。難易度もコースによってさまざま。そして色々な楽しみ方がある。
……そんなことを知ってほしくて、ブルベブルベとのたまってきたが、自分たちの周りでブルベに興味を持ってくれる女性は、少しずつ増えてきたような気がする。
そんな気持ちを打ち明けてくれたひとりの聖母を、おだやかな沼へ手招くべく、セルフブルベを計画した。
◆
2月5日。
残念ながら午後から雨予報。
今日のメンバーは虫さん、じぇんさんに加え、ブルベに興味を持ってくれたしいさんだ。
ブルベと同じ装備、そして同じコースで200kmをともに走ろう!というのが本日の予定。
だが、全国的な雨予報で、当初の200kmはどうにもこうにも完走できそうにない。
スタート時からDNFも視野に入れ、行けるところまで突き進んでみることにした。
・2016年の逗子200、スタート
ドーロ商店折り返しの方のコースをチョイスし、逗子市役所前を7:05頃にスタ―ト。
雨が降るなど考えられないほどのいい天気だ。
気持ちゆったりめのペースを先頭のじぇんさんにお願いし、逗子から慣れた景色をじっくりと走っていく。
しいさんは、どちらかという低ケイデンス、重めのギアでしっかりと走っている印象。
途中トイレ休憩などもお願いしつつ、小田原まで。
しいさん「私熱海方面はじめてなんですよ~」
クロ「本当ですか!小田原からは言うても伊豆半島です!そこからちょっとずつ起伏になりますよ!」
普段は箱根方面へ行ってしまうというしいさん。
早川口で左折して、いざ真鶴へ。
海を横目に見つつ、真鶴の料金所の起伏を乗り越え、ついでに今年の逗子200で自分が落車したポイントを通り過ぎ、PC1へ。
1時間近い貯金があるので、ゆったりめに休憩。が、この時点でこれから迎う網代方面の降水確率は、12時から90%。
それでもせめて、ブルベ御用達の苺大福は紹介したい!
このPC1から網代の菓子店までは26km。
ここまでは降らずに行けるだろうということで、再スタートを切った。
・12時を待たずして雨
伊豆半島へと進むにつれ、先ほどまで海を輝かせていた太陽が嘘のように、雲に隠れていく。
空は次第にどんより。
河津桜がすっかり散ってしまった熱海駅のあたりで、ついに雨が振り出した。
おのおのシャワーキャップをかぶったり、電化製品をしまったり、対策をとるがなかなかの雨粒。
気温が高いことは救いだった。
じぇんさん「降り始めが一番滑るから気をつけてー」
皆でグレーチング、マンホール、白線と、積極的に声かけをしながら目的地の網代を目指した。
そして、雨降りの15km。
先週ぶりとなる「菓子舗 間瀬」に到着!
ちょうど12時頃だったが、苺大福は無事に残っていた。
中で熱いお茶と、苺大福をいただく。
しいさんに間瀬を紹介するという目的は、ひとまず果たされた。
今後の行先をあれやこれやとグーグルマップを片手に話していると……、この間瀬からほんの500mばかりのところに、評判のいいお店を発見。
苺大福、伊豆の踊子と和菓子を堪能したあとだったが、昼食はそこへ向かうことに。
目と鼻の先のお店に向かうべく再スタートを切ると、いよいよ本降りの雨だった。
・相模灘を眺めてランチ
網代港のすぐ目の前にある、
海鮮料理店の「笑ぎょ」
自転車の止める場所を訪ねると、店内からものすごく感じのいいお姉さんが駐車場を案内してくれた。
小さいけれど明るく、きちんとしたお店。
接客にあたってくださるお姉さん、お母さん方の面倒見のよさ、感じのよさは相当なものだった。
本日のおすすめから炙り〆さばの定食セットと、四人でシェアするべく刺身の5点盛りを注文。
定食はだいたい1200円~2000円程度。
本日のおすすめは単品で刺身や焼き物と様々だが、それを定食にもできる。
きちんとダシの味わいがあるお味噌汁、ご飯、香の物、小付、茶わん蒸しがついてプラス500円。
量を考えると、ちょっと安いんじゃないか……?!と生唾を飲んでしまう。
そして、こちらが炙り〆さば定食。
肉厚、半生、脂のりのりの〆さばがドーンとお目見え。酢がきつくなく、とろける味わいだ。
うまい……。
雨に濡れたことなど、すっかり忘れてしまう。
虫さんのカキフライも、刺身の盛り合わせも絶品だ。
止む気配のない雨と、それでも穏やかな網代港を眺めつつ、あれやこれやと情報交換。
お店に入ってゆっくりご飯は、貴重なのでついつい堪能してしまう。
だいぶ喋ったが、まだ14時と日も高い。
あじろ温泉に立ち寄る案も浮上するが、雨足が強まり、駅から温泉までの間にかなり濡れてしまいそうだったので泣く泣く断念。
今度はしっかり下調べをして、温泉ライドにも挑戦したい。
・30分に一本の伊東線
こうしてふたたびビショビショになりながら網代駅まで走り、輪行準備。
熱海でお茶でもしましょうかーなんて話していたが……
クロ「ねえ、私リュックがない」
しいさん「あれ?駅では背負ってたような……」
熱海駅目前の電車内。
なんと、いまさら網代駅のホームのベンチに、リュックをおいてきたことに気づいたのだ。
来宮駅のホームには、ちょうど折り返し電車が止まっていた。
こちらの電車の扉があくか、向こうが発車するかの瀬戸際。
クロ「乗ります!!」
大声で女性の車掌さんに呼びかけ、ダッシュで網代駅へとんぼ返り。
皆には自転車だけ預け、駅前のマックに待機をしていてもらうことに。
なんとか網代駅でリュックサックを無事に回収し、皆との合流を果たしたのだった。
ここからは、駅前のマックに居座りだらだらとおしゃべり。
女性同士じゃないと共有できないような自転車の話も、こちらの勝手な経験談(失敗談)もあれこれしゃべり尽くし、帰路へ。
200kmライドは、ありがたいことにリベンジの予定が立った。
やるべきことで予定が立て込んでいることもあるが、こうして一緒に走りたいとしいさんに言ってもらえることは、うれしくてたまらない。
いつまでも初心者ではあるが、初心者なりに経験した話が相手にとって少しでも足しになれば、そんなにありがたいことはないのだ。
しいさんがたくさん褒めてくれたので、はずかしくてここには書けないが、しいさんは菩薩だということは多くの人に伝えたい。
なるべく視野を広く持ち、情報をアップデートしながら、自転車トークを楽しめる人間でいたいと、決意を新たにしたライドだった。
今日もお疲れ様でした!(忘れ物には要注意)