・御神火温泉〜大島公園
ちょっとしたハプニングに先手を取られつつ、まずは重い荷物を預けるために「愛らんどセンター 御神火温泉」に向かうことにした。
早朝(8時半まで)の荷物を預かってくれるのは、岡田港から約7kmの御神火温泉という施設。それ以降は、元町港近くにある観光協会が預かってくれる。
御神火温泉に預けた荷物も、最終的には元町港の観光協会に運ばれる仕組みになっている。
料金は300円だ。
さて、5km超ともいえる荷物を背負い、向かう道のりはというと……いきなりのがっつりの登り。
7kmのうち4kmほどは登りだといってもいい。
特に、港からすぐの登り坂が一番心を折りにくるのだ。
荷物の食い込みに耐えつつ、長い登りと、軽い起伏をこえれば後はほとんど下り。
元町港まで下りきらずに右折して、御神火温泉に到着した。
有難いことに、バイクラックも設置されている。
荷物を預けて身軽になり、来た道を戻って大島一周道路に入る。
トンネルを抜けると、
そこは……
大島でした!
走り始めて最初の、ひらけた海の景色。
ここは、いつも感嘆に浸る大島一周道路最初の絶景だが、今回はくもり空のためどんよりしていた……。
適度なアップダウンを繰り返していると、
ほどなくして「大島公園椿園」に到着。
ここは屋根もあり、トイレと自販機が近くにあるため、休憩スポットに適している。
公園内で一息ついたところで、台風ばりの雨風が私たちを襲った。
が、それと同時に、以前から島でお世話になっている、島民のYさんが愛車自慢をしにやってきてくれた。
それは、TIME……
かの巻島裕介の愛車である。
さまざまな想いが交錯する、大荒れの伊豆大島。
一通りTIMEを堪能させてくれると、Yさんは雨風のなかを颯爽と去って行った。
さて、本当に立ち往生するほどの嵐の様相である。
私たちはどうしたかというと、雨雲レーダーを見ながら1時間ほど待機し、手持ち無沙汰にオタ芸を踊ることにした。
これはかつて伊豆大島合宿を共にした、お面芸の神のオマージュだったのだが、それを踊ること5分……(♪恋のヒメヒメぺったんこ)
雨が止んだ。
お面芸の神は、太陽神だったのだ。
完全にウェットで、むしろ川状態になった路面を皆で走り出す。
多少小雨がぱらつくこともあるが、気温も少しずつ上がり、難は回避したようだ。
・登り区間〜波浮港グルメ
ここからが、大島順周の最大の難所といっていいかもしれない。
かなり長めの登り基調の区間だ。
途中に三原山へと登るあじさいレインボーラインの入り口があるが、今日はスルー。
それも萌え話に華を咲かせつつ、ヒッティングマーチを口ずさみ、コールを入れ、淡々と進んで行く。
筆島といえば大島の名物のひとつであり、お決まりの撮影スポットである。結構な雨のため、お面は回避。
それを超えると、波浮港の見晴らし台へと向かう登り区間。ここは、さほど長くない。
見晴らし台でトイレ休憩を済ませたら、ようやく波浮港でのグルメタイムだ!
ここから目当てのグルメスポットまでは近いが、かなり急なダウンヒルがあるため、注意してほしい。
大島定番グルメ・揚げ物の「鵜飼商店」
ここは、あっつあつの揚げ物を楽しませてくれる、老舗の商店だ。
大島グルメの大定番だといってもいいかもしれない。
名物は1個65円のコロッケだが、その他の揚げ物たちも負けず劣らず美味である。
特にお気に入りは、この特大からあげ。
骨付きのもも肉で、揚げるのに15分ほどかかる。ゆったり待つのも楽しみだ。
このからあげ、何といってもでかい。
だが、しつこくなく一瞬で食べ終えてしまう。コロッケは、たまねぎの甘味が感じられる、シンプルな一品だ。
カンチェラーラも大喜びの図。
そして、今回はここからさらに、甘いものも堪能することに。
この鵜飼商店から、石段を200段上がったところにあるという、新名物のたい焼き屋さんを目指す。
じぇんさん、mioさん、真嬉さんとともに買い出しに向かった。
他のメンバーには、ロードを見ていてもらいつつ待機のお願いをしている。
石段は……
本当に……
がっっっつり登る。
クリートでゴリゴリ登山をこなせば、そこにこじゃれたカフェを発見した。
たい焼きカフェ「島京梵天」
店長のお兄さんがものすごく感じがよくて、とってもほっこりした気持ちに。
生地に明日葉を使用した冷したい焼きも、生地に大島牛乳を使用したアツアツのたい焼きも、具が豊富で目移りしてしまう。
さらには、コーヒーがうまい。
帰りも200段の石段を下っていくのだが、それも苦にならないほど。
定番の粒あんは甘すぎず、絶品……!冷やしたいやきはむっちりとした生地で、ナッツチョコクリームもあっさりといただけた。
この時点で大体14時頃だっただろうか。
・千波地層断面〜ゴール
島一周も残り15kmほどなので、あとはまったりとゆるやかな起伏を越えていく。
真嬉さん「食後で眠くなってきちゃった……。坂道くんの話して!」
クロ「チャンピオンのあの顔の話しようぜ!」
まどろみを吹き飛ばすべく、再びトークで盛り上がる。
のんびりと進んだ先には、大島観光名所のひとつ「千波地層断面」が待ち受けていた。
今回は大雨が降ったこともあり、全体的に地層が色濃く、バームクーヘン模様がやや見づらい印象だった。
が、いつ見ても雄大である。
自然の力強さとともに、お面を楽しむ。
そして、もう一息としばらく走ってゴールの「元町港」へ!
この時間にはすでに荷物は、元町港の観光協会に運ばれているので、そこで引き取りをすることができる。
また、この観光協会で大島宿泊割引に必要な「宿泊割引券利用申請書」を記入・提出する。
2016年10月現在では、翌年の3月31日まではこの宿泊割引の適用が決定している。
この申請書を出すと、なんと1人1泊3000円引きとなるので、ぜひ、ぜひ利用してほしい。
・最後のクライム〜ホテル堪能
ふたたび荷物を背負い、目指すは「ホテル白岩」
元町港から自転車で5分かかるかかからないかのところにある。
ただし、そのホテルは思い切り坂の上にあった。じつはこの登りが結構急で、坂の途中に2ヶ所も信号がある。
一周を終えた身体に鞭打って、荷物を背負ってホテルを目指した。
皆、本気で嫌がっていた。
決死の思いでホテル白岩に到着!
鍵の掛けられる扉つきの駐輪場と、入りきらない場合は室内にも保管してくれる、自転車乗りにありがた~いホテルだ。
そして、4名、5名と別れて部屋に入り、本当の意味でゴール!
夕食の前に、温泉を楽しむことにした。ここの温泉は天然の、塩化物ナトリウム温泉というそうだが、シャワーまでしょっぱいことに毎度驚いてしまう。
全員でご褒美の温泉タイムを堪能し、上がったあとはなぜか筋トレ大会。
プランクでは耐久時間を競ったりした。
夕食は、ホテル白岩といえばこれ!
名物の「椿油フォンデュ」である。
串に刺された具材を、各自がその場で椿油の天ぷらにして食べる。
これがまた、サクサクなのにあっさりしていていくらでもいけるのだ。
他にも手作り豆腐や新鮮な刺身など盛りだくさん。
ペロリと平らげたあとは、卑猥なトークに転げ回ったり、温泉を再度楽しんだり、あっという間に夜が更けていく。
私がいた4人部屋では、22時過ぎには消灯となった。
4回目といえど、この時間にはとにかく眠くなってしまうのだから、やっぱり走り慣れた道とはいえ疲れているのだろう。
スマホの画面には、後発組のちひ子さんが、無事に船に乗り込んだという連絡が来ていた。
③につづく