5月2日、ほどよい天気。
地元駅で虫さん、ゆたそさんと合流し、有名ブロガーさんの聖地へと向かった。
そのブロガーさんとは、坂といえばのこのお方。
「しおいんですけど」へるはうんどさんである。
激坂に誘うと一度はキレるゆたそさんが、「飯能でへるはんさんみを感じよう」と言ったところ、今回のライドを快諾してくれたので、勝手に聖地を巡るということにしておいた。
そう、目指すは奥武蔵である。
私たちは電車が奥地に向かうにつれて気温が下がっていくことに恐れおののきながら、飯能駅を目指した。
現地で、昨日のライドぶりの紗芋さん、真嬉さん、
自走でやってきたちひ子さん(飲み屋のお姉さんのように懐が広い、はぴなるでプリズムきらめくガール)と待ち合わせる。
クロ「今日は子ノ権現と竹寺の激坂を2本登ってからCAFE KIKIさんに行こう!距離も40kmくらいだし、結構ゆるポタかも?」
事前にコースを伝えていたにも関わらず、この時点でなぜか失笑される。
ちひ子さん「あ、CAFE KIKIさんだったら、近くにカントリークラブの苦労坂があるよ!」
すでにCAFE KIKIさんへの訪問経験がある、地元民のちひ子さんだけがやさしい。
全員準備を終え、まずは竹寺と子ノ権現の分岐点を目指して進んでいく。
15kmほど、若干登り基調ではあるものの、よくある峠の入り口へ向かう道の雰囲気だ。
まずは分岐点で、手作りのお面による記念写真(デジタルコラージュではない)
このブログでの掲載は初めてのためざっくりと説明をしておくと、このRR選手および弱虫ペダルキャラクターのお面での撮影は、「お面芸」もしくは「アナログクソコラ」と勝手に呼んでいる、自転車仲間の友人から脈々と受け継がれている身内の遊びのひとつである。
荷物を背負える強度のライドなら、是非人目にさらされない場所・タイミングで、皆さんにも試していただきたい。なんだか楽しい空気になることは間違いないだろう。
そんなわけで、ひとしきり笑ってから子ノ権現への登坂を開始する。
子ノ権現は距離にして3.9km、平均勾配は8.5%……しかし、最大勾配は28%とも30%とともいわれ、コーナーの一番イン側は40%に達するという凶悪な噂を抱えた激坂である。
最初の2kmそれほどの勾配もなく、ゆったり進めば会話していられる程度の気持ちいい道のりだ。
激坂ポイントに備え、普段より速度を出さずに進む。
が、残り1.8kmの看板から斜度が上がり、残り1.5kmの看板が出てくるまでの300mがやたらと長く感じる。
虫さん、ゆたそさん、真嬉さんと共にいたが、全員がこれで300m?!と声を上げるレベルだ。
そして、この1.5kmからは10%オーバーがほとんどだと言っていいかもしれない。これくらいになると速度の調節がしにくくなるため、各自のペースで進む。
途中で先行していたちひ子さんに追いつき、斜度への恨み言を交わす。紗芋さんの姿は見えそうにない。
後方からは坂へのブチ切れ声と、よくわからん悲鳴が上がり、林道に響き渡る。
途中大きめのワインディングを乗り越え、ここが例の激坂ポイント…??と舐めたことを考えた。もちろん、現実逃避というやつである。
なるべく脚を残したいな〜と思いつつ、斜度は一向に緩まない。残り300mという看板が視界にチラついたとき、ついに!!!とすでにハアハアいいながらも、覚悟を決める。
少しだけ進んですぐにカーブ、
の、先が
たった一度しかワインディングしないにも関わらず、道がえらい高さに伸びている
(というのも、走ってるときはよくわからなかった)
ただ、頭には力づくで、踏み越えるという思考のみ。
渾身の力でハンドルを押さえつけ、手がしびれてくるのに耐えながら、腹から出力する。シッティングで行く以外はない。
正直、手が外れるか激坂スポットを越えられるか、賭けのようなものだった。
「暴れんなよ自転車(クオータ)!!」
(弱虫ペダル 41巻P.30より)
KUOTA乗りのペダルファンなら一度は言いたいセリフだが、そんな余裕はあるはずもなく……
灰色の景色(多分斜面)しか記憶にない
最大の難所を乗り越えたあとも、勾配は10%以下になることはなく、天龍寺まで残りわずかという登り坂がかなりキツイ。力を振り絞ったあとの道は、とても長く感じた。
でも、シッティング足つきなしで踏み越えたぞ!!
気力でラストスパートをくぐり抜けると、そこには待ち合わせ場所にしていた杉の木と、子ノ権現の有難い看板。
そして、休憩モードの紗芋さんがいた。
20%を越えたところで無謀なチャレンジは止めておいたとのことだが、相変わらず速い到着である。
ふたりで登ってきた坂を眺めながら、来ない友人たちのことにしばし思いを馳せた。
と、
紗芋さん「暇だからプランクする?」
クロ「え?」
紗芋さん「私体幹ないからさ〜、激坂は苦手なんだよね」
?????
たった今死線を越えて来たというのに、なぜ私たちはプランクをしているのだろう
その頃、激坂ピーク地点では真嬉さんが落車をして崖に落ちかけたり、あまりの斜度に怒りを込めてこんなことになっていたらしい。