ここから先はこのブルベの目的ともいえる、いろは坂が待っている。
テンションも上がり、手嶋純太の話に花を咲かせつつ、ペースを3人で合わせて登坂を開始した。
途中、箱根学園のウェアをきたお兄さんが颯爽と走っていくのを眺めながら、うまいことペダルローディーを釣ってくれたAJ群馬への感謝が募る。
実はもっとペダル女子がうっかり混ざっているかと思ったが、こんな格好をしているのは、少なくとも私たちだけだった。
訪れるのは今回で2回目となるいろは坂だが、序盤の「い」~「ほ」くらいまでの勾配がキツイが、そこから先はそれほどでもない。
景色を眺めつつ、気持ちよく登ることができる。
日が出てきて暑さは堪えるが、弱虫ペダル2年目のインターハイに思いを馳せ、感動もひとしお。
黒髪平の辺りでAJ千葉スタッフの方が声をかけてくれた。PC1の前のトンネルでも応援してくれたのと同じ方だ。
ブルベ常連である、このSさんのご厚意で、貴重な3人の写真を撮ってもらう。
雲海も出ていて、まさに絶景。
ここから先は、Sさんもともに走ってくれることに。
ご好意に甘えて(弱虫ペダルの真波+手嶋の扉絵にちなみ)「ね」の看板でも一枚お願いした。
クロ・じぇんさん「純太~~~~~」
たぶん この景色 オレ
一生忘れない
(弱虫ペダル39巻 RIDE.329より)
思い出すだけで泣いてしまう彼の言葉を、もう500回は口の中で反芻しただろうか。
ブログを書いていても、ちょっと泣けてしまう
いろは坂をクリアすると、景色やおしゃべりを楽しめるしばしの湖畔ライド。
中禅寺湖の平坦は、日陰のためとても快適だった。
軽めの起伏と戦場が原を超えて、いよいよメインディッシュの金精峠を目指す。
が、
峠の入り口までが
長い
クロ「ここまだ金精峠じゃないんですか」
Sさん「まだ、もうちょっとあるかな~」
ゆるやかとはいえ登りが続き、虫さんが次第に大人しくなっていく。
ようやく金精峠に入ったころには、日照りもマックス、虫さんの呪詛はちょっとかわいそうなほどになっていた。
虫さん「斜度落ちろ斜度落ちろ斜度落ちろ斜度落ちろ……なんで……なんで上がるの斜度落ちろ斜度落ちろ斜度落ちろ……」
いつものように怒らず、消え入りそうな声でずっっっと唱えている。
あとで聞いたところによると、暑さも手伝い大きな声は出なかったのだとか。
ペースは淡々と、私は虫さんの隣を走る。
うしろでは、ラジオ番組のパーソナリティのように、じぇんさんとSさんのブルベトークに花が咲いていた。
Sさん「あともう少し、次を曲がって、もう一回曲がったら、トンネルがあるから」
虫さん「本当に……?だってあそこにも道あるよ……高いところにも道あるよ……」
声が死にそうな虫さん。
しかし、Sさんのナビゲートはバッチリすぎるほどで、予想した通りの時刻に、言われた通りの道のりで頂上へと到着した。
虫さん「ツイタァアアアアアアァアア!!」
ここからは、PC2まで30km以上の下り。
見通りもよく、斜度もゆるやかで気持ちいい。路面もほぼ綺麗なので、かなり時間を短縮してPC2へと到着した。
貯金はほぼ1時間ほどあるので、ここでやっとマトモな食事をとる。
ここまでの軽快な下りに、なんて贅沢をさせてくれるんだろうと感謝さえする。
ブルベなのにこんなに下らせてもらってありがたいな~~とほっこりしていると
Sさん「おかしいな、まだ獲得標高が500くらい足りないな…?誤差かな?」
レジのお姉さん「ここからすぐ、2kmくらいの登りがあるんですよね」
????
???????
起伏!!!
のぼり
くだり
起伏!!
AJ群馬のうそつき!!!
あとは下るだけって言ったのに……!!!!
残り30kmを切っても、20kmを切っても、市街がずいぶん低いところに見える。
下ったと思えば、同じ分だけ山道を登らされ、の繰り返し。
すごーーく珍しく、このコースにはじぇんさんも怒っていた。
虫さん「理不尽!!!」
じぇんさん「ほら!!また登り!!!」
クロ「天空の道(勝手に名づけた、立体交差の道路の高い道)とかもういいから!!」
同行してくれるSさんがゲラゲラ笑ってくれるのが、救いといえば救いだった。
虫さん「もうピンバッジ(AJオリジナル、熊本支援バッジ)買わないからな!!!」
ブチ切れながらも、かなり元気にラストのサイクリングロードへと戻ってくることができた。
ここで飛ばせば12時間切りができると考えてか、やたら速度を上げる参加者たちにたくさん抜かされていく。
サイクリングロードを7kmほど走ってゴール。
無事、認定を受けることができた。
AJ群馬のコースを引いた方に下るだけじゃなかった!!!と熱い胸の内を伝え、よしおか温泉の温泉無料券をもらって猛ダッシュ。
限られた時間ではあったが、温泉のご褒美を獲得して、最寄駅の群馬総社駅まで自転車を走らせる。
朝は早いが、日が明るいうちのブルベ完走は最高だなあ……と思いつつ、3時間ほどの帰路につく。
まんまと騙されて?どうだったかって?
それはもう、面白かったに決まっている。
今日もお疲れ様でした!(金精峠は国道で3番目の高さ)