・PC4~通過チェック
気持ちが折れない方が勝つ……。
ここからは、とにかく標高1035mまで登らなくてはならない。鬱々とした気持ちで、再スタート。気分転換に、ドリンクを麦茶から粉飴+スポーツドリンクに(夜間と登りの食べられない対策)
復路は、下ってきた道ではなく、「北国街道旧道」を通ることになった。
さまざまな道の都合からルートについての相談がコース設計者となされ、行きと別ルートの試走を命じられる。元来た道に比べて車がなく、住宅街のため路面が綺麗だった。これだけで随分救われる。
虫さん「でも登るよ……」
元来た国道に合流してからも、ひたすらの登り。ガツンとした斜度はないので、とにかく地道にペダルを回す。
たまに挟まるちょっとした下りによって標高を下げられ、げんなり。だが、これが姿勢リセットポイントにもなるので仕方なし。
ジリジリ登って、標高1003m。
ぜっとさん「ここまでくれば大丈夫!」
虫さん「と、思っていた頃が私にもありました」
少し進んで、着替えのためにコンビニイン。ダウンヒルに備えて色々着込む。スリーコインズ(300均)で冬に買った160デニールの裏起毛レギンスが大活躍してくれた。
最後の登りに至る前に、標高1003mから100mほどアッサリ下るので、これは心理的に結構つらかった。そして、私の変速機からは異音が鳴り響いている。
虫さん「登り……終わり……?」
群馬入りして、ようやくメインの登りは完了だろうか。最後に待ち受ける入山峠自体は、斜度はそこまでではない。
そして、ここからはお待ちかねの夜のダイナミックなダウンヒル。
カーブの向こう側ガケ?というか暗くてよく見えないので、豪快で気持ちがいいものの、注意は必要そうだ。
とても明るい月夜とぜっとさん。
比較的あっという間に富岡市まで戻ってきた。
ビュンビュン進み、僅かになっていた貯金をがっつり回復して、通過チェックのセブンイレブンへ。
ここで、胃がスープすら受け付けなくなった。深夜なので無理もないと、とにかく粉飴に頼っていくしかなくなる。
おすすめされた胃薬は、とてもいい感じだったのだが……。
・通過チェック~PC5
下り基調でかなり走りやすい道だと思う。
相変わらず変速の具合がよろしくない(変速が飛ぶ??という感じ)ので、途中でぜっとさんに見ていただく。
これ自体は何とか解消し、メカトラDNFはひとまず免れたのだった。
そうこうしているうちに、いよいよ埼玉県。
途中で、道のオアシス神川にて仮眠をしていたK内さん(コース設計者)と白ちょっきさんとエンカウント。5人の集団になって走る!
K内さん「いいコースでしょ?」
いいところはたくさんあったし、海野宿であんなに下るまではそう思っていたのだが……。
皆であーでもないこーでもないとコースの話をしているうちに、行きと同じ広いイートインのあるファミリーマートに到着。これでPC5だ。
胃薬が効いたのかなんとかプリンを食べ、ボディシートで体を拭き、インナーを着替える。暑くなるだろう夜明けに向けて、気持ちがしゃっきりした。
ここで、1時間半先に試走をスタートしていたmomさんが仮眠をしており、エンカウント。これで、試走担当6名が一堂に会した。
momさんは胃の調子が良くないとのことで、あわやDNF……と話も出たが、話しているうちに元気を取り戻されたご様子。
自転車にまたがって、一緒にPCを出た。
・PC5~PC6
momさんは45分の借金返済のため、爆走スタート。その再起の背中を見送った。速くて格好良くて、すぐに見えなくなってしまった。
PC5以降しばらくすると、夜が明けてライトも不要になっていく。朝霧が出ている時間帯は、だいぶ涼しい。
気温が上がりそうなので、ウインドブレーカーを脱いでみる(実はこれがまずかった)
ここのあたりは定峰復路でおなじみ、材木屋のある登り……。
ぜっとさん「多少登るけど、大したのはないよ」
虫さん「と、思ったでしょ?」
ぜっとさん、クロ「(笑)」
慢心を防ぐための切り返しが、すでに鉄板となってきた400終盤。
後ろに白ちょっきさんとK内さんもいるので、何となくワイワイ。楽しい試走だ。
バッチリ、カメラに収まる白ちょっきさん。このピースはいぢちさんを模範にしたものだという。
辺りも完全に明るくなり、完走が見えてきた……のだが。
朝露による冷えの影響か、私はこの辺りでは粉飴ドリンクを飲むのも気持ちが悪く、何も食べられない状態に。PC4からここまでの間に胃に入れたのがプリンと粉飴ドリンクのみなのは、危ないかもしれない。
気持ち自体は元気ではあったし眠くはないはずだが、だんだんと機能が低下している感覚に襲われる。
寒さを感じ、ろれつが回りにくくなり、手の痺れが出る。痺れに関しては疲れかなんなのかわからないが、視界ももやがかかり、初めてのレベルでひどい低血糖症状に陥った。
虫さん「大丈夫?鉄キャンディーいる?」
クロ「豚の脂の味がする」
ここでもらった飴が功を奏し、一番あやうい感覚はすぐに脱したが、飴から豚の味がした時には自分がトチ狂ったのかと思った。
PCまで残り8kmだが、急遽コンビニにイン。というわけで、白ちょっきさん、次いでK内さんをお見送り。
鉄キャンディーから導き出した豚汁をむりむり胃に収めて、なんとかPCを目指す。目を閉じては見たが、結局少しも眠れなかった。
定峰200の松郷峠あとから最終PCまでの八高線沿いゆる登りを吐き気と戦いながら越え、
いよいよ最終PCのセブンイレブンに到着。
食べたら吐きそうなので、ヤクルトみたいなものを飲むに留めた。
あとは無事にたどり着くのみ!!
・PC6~ゴール
ここからはおなじみのたまがわさんの道のりふたたび。個人的には、明るい時間に走ることがないので、新鮮だった。
気温が上がってくると胃も動き出し、ウィダーインゼリーを飲めるまでに回復。
あとはとにかく帰りつければ良し。
やはりこの時間ともなると車も多い。
多摩川沿いはすでに賑わっている。以外と、思うようには進まない。
最後にゴール5km手前の和泉多摩川駅でひと休憩。暑さとだるさに襲われているが、あとわずか。
ゴールお迎えのりゅーせいさん、artsさんの姿が見え、気持ちが明るくなる。
りゅーせいさん「意外と元気だね!」
自分でも不思議だが、人と会うと、元気な気持ちになってしまうのだから驚きだ。
そして、長い旅もついに……!
無事に、海野宿400試走班ゴール!!
1時間ほど残して時間内完走となった。PC前でお別れした白ちょっきさんの姿もある。
ゴールにいてくださったむつぱぱさんも含め、お迎えのアイドル隊結成。
たくさんの人に会え、試走とは思えないほど明るく賑やかに、400kmを終えることができた。
◆
試走について学ぶような気持ちで今回走らせてもらったが、ブルベの作り方の部分をたくさんぜっとさんから教わり、視野が広がる面白い400km試走だった。
肝心のコースは折り返しまでの下りで心は折れそうにはなるものの、貯金もほぼ据え置きで走ることができたので、ある意味で取り組みやすい設計なのかもしれない。
最後の低血糖症状がなければもう少し元気に走りきることができた思うので、残り50kmで完走を危ぶむようは体調になるのはとてもしんどかった。この辺はなんとか対策をせねばならないが、うーん……胃はなかなか強くならないものだ。
最後の最後、輪行に組むのと、帰宅してから花粉アレルギー症状が大爆発したのがめちゃくちゃつらかった。
今日もお疲れ様でした!(謎のブルベの闇の写真を添えて)